2024年09月09日 / 2024年09月09日 更新

遺品整理を自分でやろうと思っているけど、遺品をどのように分別すればいいか分からない。そんな悩みを抱いている方は少なくないでしょう。遺品整理の基本的な作業は遺品の片付け・分別となるため、分別の手順が分からないと作業に着手することすら難しくなってしまいます。

そこで今回は、遺品整理の分別を行う手順や不用品の処理方法を解説します。分別をする際、特に注意すべき遺品についても紹介するので、これから遺品整理を行う予定の方はぜひ参考にしてください。

遺品整理でおすすめの分別方法

遺品整理で仕分けを始めたものの、どのように分別すればよいか分からず、作業が進まなくなることも少なくないでしょう。

最初に、遺品整理を行う際におすすめの分別方法を解説します。

貴重品

重要書類や財産的な価値の高い遺品は、遺品整理を進める中で誤って処分することがないよう、最優先で分別します。

具体的には、下記のような遺品が貴重品に該当します。

・有価証券

・土地の権利書

・貴金属

・骨董品

・通帳

・クレジットカード

必要なもの

貴重品とは別に、今後も保管・再利用する遺品を「必要なもの」として分別します。故人との思い出の品やリサイクルしやすい遺品が中心になるでしょう。

また、形見分けする予定の遺品も必要なものに該当します。写真や人形、衣服などは必要なものとして分別し、後に親族に確認してから処分するようにしましょう。

不要なもの

明らかに不要と判断したものは「不要なもの」として分別しておきます。

不要なものについては、捨てる以外に買い取りや寄付を依頼する選択肢もありますが、処分方法については分別中は考えず、遺品の整理が一段落してから考えるのがおすすめです。

保留

必要なものと不要なものの他に、保留という分類をつくっておくと、遺品整理がスムーズに進みます。

遺品整理では故人の品を扱う特性上、必要か不要かの判断に頭を悩ませてしまう時間が長くなりがちです。

悩んだ遺品はいったん保留し、整理が一段落した後に精査する時間を設けましょう。

内部リンク:家財整理とは?作業の流れやポイントを解説!

遺品整理における分別の手順

遺品整理はやみくもに着手するのではなく、順序を決めて取り組むことが大切です。ここでは、遺品整理における分別の手順を解説します。

貴重品を分別する

遺品整理では、まず貴重品を優先して分別しましょう。遺言書や契約書といった重要書類は誤って処分してしまうと手続きができなくなり、取り返しのつかないことになりかねません。遺品整理でこのようなトラブルを防ぐためにも、貴重品は必ず最初に分別することを心掛けましょう。

現場に貴重品があることが事前に分かっている場合は、片付けを開始する前にリストアップして参加者間で情報共有を行い、貴重品の探索も同時に行いましょう。

必要なものと不要なものを分別する

貴重品の分別が終わったら、次は必要なものと不要なものを分別します。前述のとおり、ここではできるだけ迷わず分別を進めることが重要です。

保留した遺品の精査を行う

貴重品・必要・不要・保留の4つの分類が終わり、片付けが一段落したら、保留した遺品の精査を行いましょう。

遺品は一度捨ててしまうと取り返しがつかないものです。迷って保留したものは、ここである程度時間をかけて、必要か不要か判断しましょう。

不要なものから売却・再利用するものを分別する

遺品の分類を終えて遺品の整理が一段落したら、次に不要なものから売却・再利用するものを分別します。

ここで再利用に分類しなかったものはごみとして処分することになるため、遺品を処分してよいかの最終チェックも忘れずに行いましょう。

ごみの分別を行う

ごみとして処分する遺品を確定したら、それらを処理方法別に分類します。具体的な分別方法は地域によって異なるため、自治体のごみ捨てのルールを確認してから分別を行いましょう。可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ、粗大ごみなどに分別するのが一般的です。

内部リンク:遺品整理を自分で完了するには?手順や注意点を解説!

遺品整理で分別した遺品の処分方法

遺品整理の分別はどうやる?手順や不用品処理の方法を解説!

ここでは、遺品整理で分別した遺品の処分方法を解説します。遺品ごとに適した方法で処分を行いましょう。

相続や形見分けを行う

分別した遺品の処分方法でまず検討したいのは、相続や形見分けです。相続を希望している親族がいるにもかかわらず、遺品の売却や廃棄をしてしまうと、相続トラブルに発展してしまいます。

遺品整理を行う際には、相続や形見分けについて親族間でしっかり確認しましょう。また、遺言書が残っている場合は法的効力が発生するため、書かれた内容のとおりに処理する必要があります。

買い取りを依頼する

次に検討したいのが、買い取りの依頼です。遺品の再利用につながり、無料で処分をしながら買い取り額を受け取ることもできるため、経済面でもおすすめの処分方法です。

衣服や家電についてはリサイクルショップやフリマアプリで売却できますが、骨董品やコレクター品については専門店で売却するのがよいでしょう。

団体に寄付を行う

団体に寄付するのも、遺品を処分する方法の一つです。ボランティア団体やNPOでは、幅広く寄付を受け付けており、遺品整理を通じて社会貢献にもつながります。

衣服やぬいぐるみなどを再利用してもらいたい場合には寄付を検討しましょう。特に衣服は寄付を募っている団体が多いため、有力な処分方法となります。

供養する

処分しづらい遺品については、供養という選択肢があります。供養は必須ではありませんが、供養を行うことで後ろめたさを和らげて遺品を処分できます。

故人が愛用していたものや思い入れが強いものが供養すべき遺品の代表例といえるでしょう。供養には僧侶に赴いてもらう現場供養、寺院でお焚き上げを行う合同供養などがあるため、都合の良い方法で供養を行いましょう。

ごみとして廃棄する

ここまで紹介した方法で遺品を処分できない場合には、ごみとして廃棄することを検討しましょう。ごみとして処分する場合、自治体のルールを守って処分する必要があります。

ルールを守らずにごみを出すと、処分してもらえなかったり、罰則が科されたりする場合があるので注意が必要です。

業者に依頼する

自力で遺品を処分することが難しい場合は、業者への依頼を検討しましょう。遺品ごとに処分方法を検討し、手続きを行うには多大な時間を要します。

業者に依頼すれば、遺品の量や種類に応じて適切な処分方法を提案してもらえるため、分別・処分にかかる手間を大きく削減できます。時間に余裕がなく、遺品整理になかなか着手できないときには、業者に依頼することをおすすめします。

内部リンク:形見の処分はどうやる?形見分けの注意点も解説!

分別後の処分で注意が必要な遺品

遺品の中には、特殊な処分方法を要求される遺品が存在します。ここでは、処分する際に特に注意が必要な遺品を紹介します。

貴金属や骨董品

処分に際して注意が必要なものとしてまず紹介するのは、貴金属や骨董品です。

これらは高価な遺品であることが多いため、他の遺品よりも慎重に処分をする必要があります。

専門店で鑑定を行ってもらい、正確な価値を把握してから処分方法を決定しましょう。また、相続の対象となっていることも多いため、親族間で処分方法をしっかり確認しておくことも重要です。

リサイクル家電

家電の中でも、リサイクル家電に指定されている家電の処分には注意が必要です。リサイクル家電は法律でリサイクルをすることが義務付けられているため、下記の手順で正しい処分を行う必要があります。

リサイクル家電に該当するのは以下の家電です。

・エアコン

・テレビ

・冷蔵庫・冷凍庫

・洗濯機・衣類乾燥機

また、これらの家電を買い替える場合には販売店で引き取り対応をしてもらえます。家電の処分のみ行う場合には、指定引取場所に持っていくか、自治体の指定業者に収集を依頼することで対応しましょう。

パソコン

デジタル遺品の中でも、パソコンは処分の際に特に注意が必要です。パソコンは再資源化が義務付けられているため、普通のごみとして出すことができず、家電量販店や指定回収個所で処分を依頼する必要があります。

また、処分の際にはデータの消去が必要になることにも注意しましょう。回収してもらう際に本体にデータが残らないよう、完全にデータが消えているか確認することが大切です。

内部リンク:残置物撤去の費用目安は?価格を抑える方法も解説!

遺品整理で分別を行う際の注意点

ここからは、遺品整理で分別を行う際の注意点を紹介します。思わぬトラブルにつながらないよう、処分する前にしっかり確認しておきましょう。

分別は時間に余裕を持って行う

遺品整理で分別を行う際には時間に余裕を持って行いましょう。焦って分別を行うと、確認不足から本来処分すべきでないものを誤って処分してしまうトラブルが発生しやすくなります。

また、遺品整理は故人との思い出を振り返りながら思いをはせる時間でもあり、心を落ち着けて取り組むべき作業です。遺品整理を思い出深い時間にするためにも、時間的な余裕を確保してから作業に臨みましょう。

分別を完了できない場合は業者に依頼する

分別を完了できず、作業が進まない場合には業者に依頼することを検討しましょう。遺品整理は心身ともに負担の大きい作業であり、思うように作業が進まないことも少なくありません。

特に少人数で行う場合には、その作業量に圧倒されて着手することすらままならないこともあるでしょう。そんなときには、無理をせず業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼すれば分別をまとめて依頼できるため、体の負担も抑えられ、精神的な余裕も生まれるはずです。

分別は遺品整理業者に依頼する

分別を業者に依頼する際には、遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。不用品回収業者やハウスクリーニング業者に依頼することもできますが、これらの業者は遺品整理を専門として扱っているわけではありません。そのため、遺品の扱いや遺品整理に必要な知識に乏しい可能性があります。

遺品整理業者は遺品整理に特化したサービスを提供しているため、相続や供養、形見分けといった遺品整理に必要な事柄にも深い知識を有しています。また、遺品の片付けから形見分けまで、遺品整理で行う作業を一括で依頼できるのも遺品整理業者の強みといえるでしょう。

内部リンク:遺品の片付けはどうやる?作業の進め方や注意点を解説します!

遺品整理で分別を依頼する業者を選ぶポイント

遺品整理の分別はどうやる?手順や不用品処理の方法を解説!

分別を業者に依頼したいけれど、どの業者に依頼するべきか悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、依頼する遺品整理業者を選ぶ際のポイントを解説します。

遺品整理士の資格を有しているか

遺品整理業者を選ぶ際にまず確認したいのが、「遺品整理士」の資格の有無でしょう。遺品整理士は遺品整理士認定協会で行われている講座および試験を通過して取得できる資格です。

遺品整理の実務的な知識に加え、遺族の心に寄り添った対応を学んでいる、遺品整理のプロフェッショナルです。遺品整理士の担当者に依頼をすれば、安心して遺品整理を任せられます。

訪問見積もりを行っているか

業者を選ぶ際には、訪問見積もりを行っているかも確認しておきましょう。遺品整理業者が行う作業や必要な人員は、現場の状況によって異なります。

電話だけで見積もりを完了する業者は、正確なサービス提供を行わなかったり、過度な料金を取られたりする可能性があるため注意が必要です。依頼を確定する前には、必ず現地見積もりを行いましょう。

従業員の対応は丁寧か

従業員の対応が丁寧かどうかも、遺品整理業者を選択する際の大切な要素です。遺品整理では担当者が現場に入り、故人の大切な遺品を取り扱います。

ものの取り扱いが雑だったり、信頼できない言動をしたりしていた場合には、その業者への依頼は控えたほうがよいでしょう。見積もりの際に担当者としっかりコミュニケーションをとり、信頼できる担当者に依頼しましょう。

依頼したいサービスが提供されているか

業者を確定する前には、自分が依頼したいサービスが提供されているか、確認しましょう。分別やごみの処理は多くの業者の基本サービスとして提供されていますが、相続サポートや不動産相談などは、業者によってサポート体制が異なります。

供養や特殊清掃なども業者によって対応の可否が異なるため、依頼したい作業内容は依頼を確定する前に必ず業者に共有・確認を行いましょう。

内部リンク:遺品整理士の資格はどんなもの?取得する方法やメリットも解説します!

ライフパートナーでは遺品の分別を承っております

当社、ライフパートナーでは遺品の分別および遺品の処理を承っております。

そのほか、相続サポートや形見分けの配送など、遺品整理に必要な業務を一括でお任せいただけます。

遺品整理でお悩みの方は、ぜひ一度、無料お見積り・ご相談をご利用ください。

遺品整理の分別は手順に沿って無理せず行おう

今回は遺品整理の分別を行う手順や不用品の処理方法を解説しました。遺品整理における分別は、分別方法や手順をしっかり決めてから始めることが大切です。事前にこれらを準備しておくことで、遺品整理をスムーズに進めることができるでしょう。

遺品整理は非常に負担の大きな作業です。親族だけで行うのが難しい場合は、業者に依頼することも検討し、無理のない範囲で遺品整理に着手しましょう。