遺品整理では、処分の仕方が分からなかったり、捨ててよいか分からなかったりするものが出てくることがしばしばあります。処分方法に悩んで遺品整理が進まない、ということもあるでしょう。
そこで今回は、遺品整理で処分に困るものの処分方法や業者への依頼方法を解説していきます。トラブルを防ぐためのポイントも紹介しますので、これから本格的に遺品整理に取りかかる方もぜひ参考にしてみてください。
Contents
遺品整理で処分に困るものの例
遺品整理をしていると、処分に困るものが出てくることもしばしばあります。まずは、遺品整理で処分に困るものの代表例と、各遺品の処分方法をご紹介します。
写真
写真は遺品整理で発見することが多く、心情的に処分しづらい遺品の代表格といえるでしょう。写真を心置きなく処分するためには、供養を依頼するのがおすすめです。また、スマートフォンやパソコンにデータとして残しておくと、実物を処分しやすくなるでしょう。
写真は遺品整理をしているときに目にすると、思わず時間をかけて眺めてしまう遺品でもあります。遺品整理に時間をかけすぎないためにも、悩んだらいったん保留して、他の遺品の整理が終わった後に精査しましょう。
家具
家具の中でも、タンスや食器棚のような大型の家具は特に処分に困るものです。処分には地域の不用品回収サービスを利用できますが、所定の収集場まで運搬する必要があります。
自宅付近まで回収に来てもらうこともできますが、少なくとも自宅の外に搬出する必要があるため、自力での作業が難しい場合もあるでしょう。運搬が難しい場合は、無理せず不用品回収業者をはじめとした出張サービスを利用するのがおすすめです。
家電
遺品整理では、故人が使用していた家電も出てくるでしょう。家電は使える状態であれば買い取ってもらえるものの、型番が古かったり状態が悪かったりする場合は、不用品として処分することになります。
一部の家電はリサイクル家電に指定されており、処分に際して追加料金が発生するため注意しましょう。リサイクル家電に該当するエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機を処分する場合には、業者や自治体に事前に処分方法や費用を確認しておきましょう。
パソコン・スマートフォン
パソコンやスマートフォンも、遺品整理で処分に困るものの代表といえるでしょう。これらのデジタル遺品はデータや写真、パスワードなどが漏洩するトラブルが発生しないよう、適切に処分する必要があります。売却する際にもデータを完全に消去し、デバイスを初期化した上で売却しましょう。
パソコンについてはリサイクルが義務付けられているため、一般ごみとして処分することができない点にも注意が必要です。
衣服
衣服もなかなか手放せない遺品ですが、保管スペースを占有しやすいのが難点です。特に思い入れのある衣服については保管するのもよいですが、基本的には処分することをおすすめします。
着物やスーツなどの高級衣服については、高価買い取りしてもらえる場合もあるため、買い取り専門店などで査定を依頼してみるのもよいでしょう。
コレクター品・骨董品
コレクター品や骨董品も故人の思い出の品であることが多く、心情的に処分しづらい遺品です。遺族間で相続や形見分けの希望があれば、捨てずに対処できる場合もあります。処分する際には供養を行うのもよいでしょう。
コレクター品や骨董品については、すぐに処分しないことも重要です。一見価値のないものに見えても、実は高価な品も存在します。処分する前に、専門店で査定・鑑定をしてもらってから処分しましょう。
人形・ぬいぐるみ
人形やぬいぐるみも故人との思い出が詰まっているため、処分に困るものといえるでしょう。心置きなく処分したい場合には、神社やお寺で供養してもらう方法がおすすめです。
また、人形やぬいぐるみを寄付したい方に向けた活動を展開している団体も存在するので、捨てたくない場合には寄付を検討するのもよいでしょう。
銃・刀剣類
他の遺品より目にすることは少ないものの、銃や刀剣類も遺品整理で困るものとして挙げられます。コレクションとしての日本刀や猟銃などが一例として挙げられるでしょう。これらの遺品は購入時に許可証・登録証を合わせて取得しているはずなので、本体だけが見つかった場合は許可証・登録証を探索する必要があります。
許可証・登録証を所持していれば譲渡や相続も可能ですが、所持していない場合は銃刀法違反となってしまう可能性もあるため、警察に届け出る必要があります。連絡するだけで違反になることはないため、早急に届け出るようにしましょう。
仏壇
仏壇には魂が宿っているとする宗派もあるため、そのまま処分することに抵抗を感じることも多いでしょう。そのため、仏壇を処分する際には、魂抜き(お性抜き・お精抜き)を依頼することも多くあります。
寺院に依頼をすれば、魂抜きから処分まで一括で担当してもらえるため、少ない手間で処分が可能です。魂抜きをしてもらった後は、粗大ごみとして出す他にも、仏壇販売店による引き取りなども利用できます。
自動車
自動車やバイクなども、遺品整理で処分に困るものとして挙げられます。普通車を売却したい場合には、一度相続の手続きを行う必要があります。軽自動車は比較的安価であるため、相続の手続きは必要なく、名義変更を行った後に売却や処分が可能です。
自動車やバイクは処分しないと自動車税や保険料が発生してしまうため、不要であれば早めに処分しましょう。
内部リンク:形見の処分はどうやる?形見分けの注意点も解説!
遺品整理で困るものの処分方法
ここまで紹介してきたように、各遺品にはそれぞれ適した処分方法が存在します。ここでは、遺品整理で困るものの具体的な処分方法を解説していきます。
形見分けを行う
遺品整理で困るものの処分方法としてまず挙げられるのは、形見分けです。形見分けをすれば遺族が遺品を再利用できるため、遺品を捨てずに済む点が魅力といえるでしょう。
また、形見分けをする際には遺言書やエンディングノートの有無を必ず確認しましょう。特に遺言書については法的拘束力が生じるため、相続トラブルを防ぐためにも確認が必須となります。遺言書の有無は遺族間で共有しておきましょう。
店舗で買い取りを依頼する
店舗で買い取りを依頼するのも、遺品整理で困るものを処分する手段として挙げられます。遺品の中には、実用的な物品や新しくてまだ使えるものもあるでしょう。
まだ使える遺品をごみとして処分するのはもったいない上に、処分費用まで発生してしまいます。その点、買い取り専門店やリサイクルショップで買い取りを依頼すれば、遺品の再利用、処分費用の削減、売却による収入などと、多くのメリットがあります。店舗買い取り以外では、フリマアプリなども利用候補となるため、自身が都合の良い方法で売却を検討しましょう。
供養を依頼する
遺品を供養するのも、遺品整理におけるおすすめの処分方法です。遺品整理で困るものの特徴として、故人との思い出が詰まっていることが挙げられます。供養を行うことで、心置きなく遺品の処分を行うことができるでしょう。写真、手紙、衣類、仏壇、人形といった思い出の品を処分する際に迷いが生じる場合には、供養を行うことをおすすめします。
不用品として処分する
形見分けや売却ができない場合は、遺品を不用品として処分することになります。不用品として処分する際には、必ず地域のごみ処理に関するルールを確認しておきましょう。ルールを守らず処分してしまうと、不法投棄と見なされる場合もあります。
地域の不用品回収を利用する場合は比較的費用を安く抑えられますが、手続きや遺品の運搬を自ら行う必要がある点には注意が必要です。
専門業者に処分を依頼する
遺品整理で困るものは、専門業者に依頼することで安心かつ手軽に処分することが可能です。地域の不用品回収を利用するよりも費用は高くなりますが、手続きや運搬の手間がかからず、一括で依頼できる点が魅力といえるでしょう。
また、自動車や刀剣類といった専門知識が必要になる遺品の処分を行う際、専門家に相談することもできます。遺品整理に不安を感じている場合は専門業者の利用を検討しましょう。
内部リンク:遺品の仕分けの手順や注意点を解説!
遺品整理で困るものを処分してもらえる業者
専門業者を選ぶ際、どのような業者に依頼すべきか分からないこともあるでしょう。遺品整理で困るものを処分してもらえる業者としては、以下の業者が挙げられます。
費用相場については目安となりますので、依頼の前に必ず各業者に確認するようにしてください。
不用品回収業者
遺品整理で困るものを処分してもらえる業者としてまず候補に挙がるのは、不用品回収業者です。不用品の処分に特化しているため、幅広い遺品を処分してもらえる点が魅力といえるでしょう。
また、効率的な処分が特徴で、短ければ数時間で作業が完了するのも魅力です。遺品整理において、大量の不用品を処分したい場合には不用品回収業者の利用がおすすめです。
トラック積載(積み放題)の費用相場
トラックのサイズ | 費用相場 |
軽トラック | 1万5千円~ |
2tトラック | 5万円~ |
3tトラック | 6万円~ |
4tトラック | 10万円~ |
単品回収の費用相場
不用品 | 費用相場 |
ソファー | 3,000円~ |
テーブル | 2,500円~ |
タンス | 3,500円~ |
ベッド | 3,000円~ |
食器棚 | 6,000円~ |
ハウスクリーニング業者
ハウスクリーニング業者でも、遺品整理で困るものの処分が可能です。故人が賃貸に住んでいた場合は、部屋の原状復帰を行ってから賃貸契約を解除する必要があるため、クリーニングや特殊清掃が必要になる場合があります。
部屋がごみ屋敷の状態で、不用品の処分だけでなく、現場の清掃も同時に依頼したい場合にはハウスクリーニング業者の利用を検討しましょう。
間取り | 入居中の費用相場 | 空室の費用相場 |
1K | 1万~4万円 | 1万~3万円 |
1LDK | 2万~5万円 | 2万~4万円 |
2LDK | 3万~7万円 | 2万~6万円 |
3LDK | 4万~8万円 | 3万~7万円 |
4LDK | 6万~10万円 | 4万~8万円 |
遺品整理業者
遺品整理で困るものを処分する際に、特におすすめしたいのが遺品整理業者です。遺品整理に特化したサービスを提供しており、遺品整理に関する事柄全般を相談しつつ、遺品ごとに適切な処分や手続きを行ってもらえます。
また、遺品整理士の資格を有している担当者は、遺品整理における心構えも備えています。
故人や遺族に寄り添い、心を込めて作業を進めてもらえる点は、他の業者にはない魅力といえるでしょう。遺品整理関連の作業を一括で依頼したい場合には、遺品整理業者がおすすめです。
間取り | 費用相場 |
1K | 3万~8万円 |
1LDK | 7万~20万円 |
2LDK | 12万~30万円 |
3LDK | 17万~50万円 |
4LDK | 22万~70万円 |
内部リンク:遺品整理を依頼する際の相場は?費用を抑えるためのポイントも解説します!
遺品整理で困るものを処理してもらう業者の選び方
ここからは、遺品整理で困るものを処理してもらう業者の選び方を紹介します。見積もりや依頼を確定する前に、以下の事項をあらかじめ確認しておきましょう。
専門の資格を有しているか
遺品整理で業者を選ぶ際には、専門の資格を有しているか確認することが大切です。不用品回収業務を行うには「一般廃棄物収集運搬許可」が必要になるため、業者がこの資格を有しているか確認しましょう。買い取りを依頼する場合は「古物商許可」の資格を有しているかも確認する必要があります。
また、遺品整理業者に依頼する際には「遺品整理士」の資格を確認しましょう。この資格は遺品整理の作業だけでなく、現場での振る舞いや心遣いを習得している証明になります。そのため、遺品整理士の在籍は遺品整理を依頼する際の安心感につながることでしょう。
見積もり書の内容は明確か
見積もり書の内容が明確かどうかにも注目しましょう。総額だけが示されている場合、本来は不要な費用が発生している場合もあります。どの作業にどのくらいの費用がかかっているか、明確に記載されていることを確認しましょう。
また、無料で訪問見積もりを行っているかどうかも確認しておきましょう。遺品整理は現場の状況によって必要な作業や人員が変わります。電話だけで見積もりを行っている場合は正確な見積もりが難しいため、依頼を避けたほうがよいでしょう。
従業員の対応は丁寧か
従業員の対応が丁寧かどうかも、忘れずにチェックしておきましょう。遺品整理では担当者が実際に故人の部屋に入って作業を行います。
大切な遺品を取り扱ってもらうことになるので、信頼して作業を任せられる人物か判断するのが重要です。見積もりの際の言動や遺品の扱い方などをチェックしておくとよいでしょう。
内部リンク:遺品整理に際してやばい業者を避けるには?悪徳業者の特徴も解説!
遺品整理で困るものの処分でトラブルを防ぐ方法
ここからは、遺品整理で困るものの処分でトラブルを防ぐ方法を紹介します。遺族間でのトラブルを防ぐためにも、下記の事項を必ず確認しておきましょう。
遺言書の内容に従って処分する
遺言書がある場合は、必ず遺言書の内容に従って遺品の処分を行いましょう。遺品を処理する際には、相続や形見分けの際に遺族間で争いが生じてしまうことがあります。
前述の通り、遺言書には法的拘束力が生じるため、遺族は遺言書の内容に従わなくてはいけません。遺言書を参照すれば、このような争いやトラブルを避けつつ遺品整理を完了できます。
親族間で相談してから処分する
遺品を処分する際には、親族間で相談してから処分しましょう。遺品が相続や形見分けの対象となっていた場合、一度捨ててしまうと取り返しのつかないことになりかねません。
特に、高級品や思い出の品については必ず親族間で確認をとり、独断で処分しないよう注意が必要です。
専門家に相談する
遺品整理で困るものを取り扱う場合には、専門家に相談するのがもっとも安心です。不用品処分や相続の際には、法律が絡む専門知識が求められることも多くなります。
自分だけで判断すると間違ってしまうことも多いため、不安や疑問を感じる場合は、遺品整理業者や弁護士、税理士といった専門家に相談しましょう。
内部リンク:遺品の片付けはどうやる?作業の進め方や注意点を解説します!
遺品整理で困ったらライフパートナーにご相談ください
当社、ライフパートナーでは遺品整理に関連する業務を一括で承っております。遺品の処理についても遺品ごとに精査した上で、適切な処分方法を提案させていただきます。遺品整理で不安を感じている場合は、まず無料相談・お見積もりをご利用ください。
遺品整理で困るものは適切に処分しよう
今回は遺品整理で処分に困るものの処分方法や業者への依頼方法を解説しました。遺品の処分に困った場合は、すぐに処分せず、各遺品に適した処分方法を調べることが大切です。しかし、自分だけで判断しきれない、手間がかかりすぎるという場合もあるでしょう。その場合は、無理せず専門家に相談することをおすすめします。遺品整理は心身ともに負担の大きい作業です。自分のできる範囲で、無理の生じないやり方で遺品整理を進めていきましょう。