遺品整理を行うなかで、価値のある遺品は業者に買取依頼を行うケースは少なくありません。一口に「遺品」といってもその内容は時計や貴金属、衣服やコレクター品など多岐にわたります。
そのため、どのように買取を行ってもらえばよいかわからない、という方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、遺品整理で買取を依頼する際の流れや買取額を上げるためのポイント、依頼すべき業者などを解説していきます。本記事で遺品の買取に関する知識を備え、不安を解消したうえで買取を依頼しましょう。
Contents
高額買取が期待できる遺品
遺品のなかには買取してもらいやすい遺品もあれば、買取が期待できない遺品も存在します。まずは、高額買取が特に期待しやすい遺品をご紹介します。
腕時計
腕時計は身近に所持していることの多い遺品
ロレックス、セイコー、オメガといった人気のブランド品の場合も多いため、高価買取も期待できます。
人気の装飾品で需要も高いため、安定した買取価格を期待できます。
ブランド品であれば数十万円、高級品であれば100万円を超える買取も期待できるでしょう。
貴金属
貴金属の類は高額買取が期待できる遺品の筆頭といってもよいでしょう。指輪やネックレスといったアクセサリーに付随している貴金属も高額買取してもらえる可能性があります。
貴金属の価値や純度を判別するのは自身では難しいため、プロの鑑定士が所属している専門店で査定を行ってもらうのがよいでしょう。変形していたり、壊れたりしている製品でも貴金属の部分のみ買取をしてもらえる可能性があるため、一見使えない場合でもとりあえず査定に出してみるのがおすすめです。
金
投資商品として扱われることもある金も、安定して高額買取を期待できる遺品といえるでしょう。
ただし、金は相場の影響を受けるため、買取金額はそのときの相場に左右されます。できるだけ高額で買取を依頼したい場合には、相場の変動を見極めたうえで買取依頼をする必要があるでしょう。
鑑定書があれば本物の金であるという証明ができるため、買取を依頼する際にはぜひ用意したいところです。
ブランド品
カバンや財布といったブランド品も、高額買取が期待できる遺品です。できる限りよい状態で査定に出すことが、より高額での買取をしてもらうコツといえます。
家電や電子機器等の買取では最新型の価値が高くなる傾向にありますが、ブランド品の場合はこのケースに当てはまらない場合も多いです。過去のモデルが人気になることもあり、古い製品が高価買取の対象となる場合もあるので、専門店で査定を行ってもらうのがよいでしょう。
家具・家電
家具・家電についても、リサイクルショップなどで買取を行ってもらえる遺品です。
家電は機能性の向上や商品の入れ替わりも激しいため、新しい商品であるほど買取価格が高くなる傾向にあります。あまりに古い製品は買取してもらえないこともあるため注意しましょう。
大型の家具・家電は粗大ごみとして処分しようとするとお金がかかってしまうため、買取を依頼するメリットが大きい遺品といえるでしょう。ただし、暖房器具などの季節を選ぶ製品は、売却する時期によって買取価格が変わることもあるので注意が必要です。
カメラ
一眼レフをはじめとしたカメラは単価が高い傾向にあるため、高額買取を期待できる遺品です。
Canon、Nikon、Sony、富士フイルムといった人気メーカーの商品は特に需要が高いため、買取価格も高くなります。製品ごとのグレードにも幅があるため、自身がカメラに詳しくない場合には専門店で査定に出してみるのがよいでしょう。
レンズ、カメラバッグ、三脚といった付属品も買取してもらえる可能性があるため、確認のうえ査定を依頼することをおすすめします。
衣服
衣服についても買取対象となり、スーツ、振袖といった高級衣服は特に高額買取が期待できます。ブランド品や有名な着物の場合には査定額が上がる可能性もあるため、品質を保証する証紙などがあると安心です。
買取の際には衣服の状態も重要になるため、匂いや汚れが目立つ場合には買取ができない場合があります。可能な限り良質な状態で買取に出すようにしましょう。
ゴルフ用品
ゴルフクラブをはじめとしたゴルフ用品は単価が高い製品が多いため、高価買取が期待できます。
素材やブランドによって価格が変動し、木製クラブなどの高級品は高額買取の可能性が高まります。クラブは新しいモデルが次々に販売されるため、古いモデルは値段が下がってしまう傾向にあります。買取依頼を考えている場合には、早めに査定を依頼するのがよいでしょう。
デジタル機器
スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器も高価買取が期待できます。
Apple製品などの人気製品は需要も高いため、高額買取の可能性が高い製品です。一般的には最新モデルが高額買取の対象となりますが、人気製品の場合にはかなり古いものでも高値がつく場合があります。
セキュリティ対策も考えると自身で廃棄するのが難しい遺品でもあるため、ひとまず査定に出してみるのも大切です。
楽器
楽器は中古品の需要が高く、安定した価格で買取をしてもらえる遺品です。一般的な演奏に使うもの以外では、高級品やアーティストの限定モデルなどで高額買取が期待できます。
楽器はコレクションとして扱われる製品もあるものの、基本的には演奏用として購入する方が多い商品です。しっかり音がでるか、故障がないか確認してから査定に出すようにしましょう。
美術品・骨董品
陶磁器やアンティーク、絵画や象牙製品といった美術品・骨董品も高価買取が期待できる遺品です。
これらの遺品は特に素人が価値を判断するのが難しいため、専門店で査定を依頼することをおすすめします。レプリカである可能性もあり、その場合は買取の対象外となることもあるため注意が必要です。
購入した際の付属品や鑑定書があれば本物であるという証明になるので、残っているようであれば合わせて準備しておくとよいでしょう。
コレクター品
切手、コイン、人形、フィギュア等のコレクター品も、高額買取をしてもらえる可能性があります。
コレクター品は一見価値がわかりづらい遺品です。古びた遺品の場合でも思わぬ掘り出し物である可能性があるため、むやみに捨てないように注意しましょう。
査定を依頼する際にはそれぞれのコレクター品を専門に取り扱っている業者に依頼することをおすすめします。箱や説明書などの付属品も査定に影響するため、用意できるものは用意しておきましょう。
遺品の買取額を上げるためのポイント
遺品の買取を行ってもらう際には、できる限り高額で買取をしてもらいたいところです。ここでは、遺品の買取額を上げるためにしておくべきことやポイントをご紹介します。
きれいな状態で買取に出す
遺品を買い取ってもらう際には、可能な限りきれいな状態で買取に出しましょう。
買取してもらった遺品は再度販売されて他者の手に渡ることも多いため、状態がよいほど価値も上がる傾向にあります。汚れやほこりは事前にふき取って、匂いが気になる場合には消臭等も行っておくとよいでしょう。
その際、遺品を傷つけることがないよう注意が必要です。骨董品やブランド品等は無理に修繕しようとせず、専門店で修繕を行ってもらうのが無難といえます。
また、外箱や付属品もそろっていると買取価格が上がるため、可能な限り用意しておくのがよいでしょう。未開封品の場合には一度開封するだけで価値が変動してしまうものもあるため、未開封のまま査定に出すのが無難です。
専門業者に買取を依頼する
骨董品やブランド品といった価値の判別が難しい遺品は専門業者に買取を依頼しましょう。
不用品回収業者や遺品整理業者などは買取専門の業者ではないため、価値の判別が難しい遺品に関しては正確な査定ができない場合があります。
専門業者であれば骨董品鑑定士や宝石鑑定士といった有資格者のスタッフも在籍していることが多いため、より安心して査定を依頼できるでしょう。
時期や流行を意識して買取に出す
衣服や家電といった日用品は、時期や流行を意識して買取依頼をすることも大切です。扇風機やヒーターなど季節を選ぶ家電は、シーズンが到来する直前の需要の高まる時期に買取をしてもらうと買取価格が高くなる場合もあります。
また、コレクター品やゲーム、漫画などは流行しているものが高価買取されることも多いため、最新情報をチェックしておくとよいでしょう。買取店によってはキャンペーンを行う場合もあるため、積極的に利用したいところです。
持ち込み買取を利用する
買取価格を上げたい場合には、できる限り持ち込み買取を利用しましょう。
出張買取は大型家具等の買取をしてもらう際には便利ですが、出張に際して各種費用が発生する可能性があります。費用分が査定額から差し引かれる場合もあるため、自力で運搬可能なものは車などを利用して持ち込むのがよいでしょう。
遺品買取の基本的な流れ
遺品買取を業者に依頼する際の手順がわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、遺品買取の基本的な流れをご紹介します。
業者のリサーチ
まずは依頼する候補となる業者のリサーチを行いましょう。候補としては、
買取専門業者、リサイクルショップ、遺品整理業者、不用品回収業者などが挙げられます。買取を依頼したい遺品の種類も参照のうえ、依頼する業者を選定しましょう。また、中には悪質な業者も存在するため注意が必要です。
いくつかの業者をリサーチしたうえで、利用者の声や評判を確認しておくとよいでしょう。
問い合わせ
依頼したい業者の目星がつけられたら、実際にその業者に問い合わせを行いましょう。
その際、対応している買取方法や買取商品、必要な費用などを確認しておくことをおすすめします。出張買取を依頼する場合には予約をする必要があるため、都合のつく日程も事前に洗い出しておきましょう。
見積もり・査定
買取方法や日時が決定したら、実際に遺品の査定を行ってもらいます。査定予定日までに遺品の状態や運搬の準備を整えておくようにしましょう。
遺品整理業者や不用品回収業者に依頼をする場合には、訪問見積もりと同時に遺品の査定を行う場合もあるので事前に確認しておくのがよいでしょう。また、遺品整理や買取に関する相場を把握するためにも、複数の業者に相見積もりを依頼することをおすすめします。
買取成立
査定の結果が出て、査定結果に納得のいくようであれば買取成立となります。
同意する前であれば買取を見送ることもできるうえ、買取を行ってから8日以内であれば契約を解除できるクーリングオフを利用できます。購入したものを返品するイメージが強いクーリングオフですが、買取にも適用可能です。
ただし、家具や大型家電、ゲームソフトといった一部商品にはクーリングオフが適用できない点に注意しましょう。店舗買取と宅配買取の場合にもクーリングオフは適用できません。
遺品買取を依頼できる業者
遺品買取を業者に依頼したいものの、どんな業者に依頼すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、遺品買取を依頼できる主要な業者をご紹介します。
買取専門業者
遺品の買取を依頼できる業者としてまず挙げられるのは、各遺品の買取専門業者です。
買取専門業者を利用するメリットは、各種商品に関する専門知識を有しているという点です。特に骨董品や美術品などの高級品は、鑑定や時価評価を行ってもらう必要があるため、正確な査定を行ってもらえる専門業者に依頼をするのがよいでしょう。カメラや電子機器等、型番によって買取価格が変動する商品に関しても同様です。
できるだけ高価買取してもらいたい、価値ある遺品を間違いなく査定してもらいたいという場合には買取専門業者に依頼することをおすすめします。
リサイクルショップ
遺品買取を依頼する際にはリサイクルショップも選択肢として挙げられます。幅広い商品を取り扱っている点が魅力であるため、家電や日用品といった比較的安価かつ価値が判別しやすい商品を中心に査定を依頼するのがよいでしょう。
買取専門業者に比べると専門知識のある鑑定士が在籍していない可能性が高く、高価な遺品を査定してもらう際には少々不安が残ります。骨董品やコレクター品といった価値の判別が難しい遺品は専門業者で査定してもらうのがよいでしょう。複数の店舗で査定額を確認しておくと、より条件のよいショップで買取を依頼できます。
オークション・フリマ
オークションやフリーマーケットも遺品買取を行ってもらうための手段としておすすめです。業者に買取依頼をする場合よりも出品の手間や相場の把握は必要になりますが、自分の納得のいく内容で売却できる点が大きなメリットです。
出品する際には商品の詳細が買い手にわかるように商品説明や撮影を行う必要があります。写真の画質や明るさなども遺品の印象を左右するので注意して出品しましょう。シリーズものやセット商品はまとめて出品すると買い手としても購入しやすく、高額買取が期待できます。
遺品整理業者
遺品整理業者でも遺品の買取を行ってもらえます。遺品整理業者の魅力は買取から不用品回収、その他の遺品整理関連業務を一括で担当してくれる点にあります。
故人がお亡くなりになった際は葬儀や役所での手続きも行うことになるため、時間の面ではもちろん、精神的にも疲れてしまうことが少なくありません。遺品買取にかける時間がない、遺品整理をまとめて依頼したいといった場合には遺品整理業者への依頼を検討しましょう。
ただし、買取商品に関する専門知識では買取専門業者に軍配が上がるため、骨董品やコレクター品など、価値の判断が難しく高価買取が期待できるものは専門の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
遺品の分別、運搬、清掃といった各種遺品整理にかかる費用が買取価格から差し引かれる場合もあるため、買取価格は低くなってしまう傾向がある点にも注意しましょう。
業者を選択する際の注意点
買取を依頼する業者の形態を選択したら、具体的にどの業者に依頼するか判断する必要があります。ここでは、依頼する業者を選択する際の注意点をご紹介します。
業者の選択は焦らず慎重に行う
業者を選択する際は、焦らず慎重に選択しましょう。業者の中には悪質な業者も存在するため、業者を選択する段階でそのような業者でないか判別する必要があります。
遺品をぞんざいに扱う、ずさんな査定を行う、無理やり買取を行う「押し買い」をする、遺品を盗むといった悪質な業者も存在するので、注意が必要です。葬儀や役所での手続きなどで忙しい時期は、慎重な業者選択ができなくなる可能性が高いので、買取依頼を遅らせることも検討しましょう。
買取実績や評判をチェックする
買取業者を選択する際にはホームページで公開している買取実績を確認しておくとよいでしょう。これまでの担当件数や作業件数に加え、実際に買取をしてもらったお客様の声を参考にするのもおすすめです。
この際、ホームページが存在しない、代表者名など必要な情報の記載がないといった場合には、悪質な業者である危険があるので注意が必要です。会社の所在地や連絡先などもチェックして信頼できる業者かどうか判断しましょう。
資格を有している業者か確認する
依頼を検討している業者が資格を有しているかどうかも、業者を選択する際の判断基準になります。古物商許可など、該当する遺品を売買するために必要な資格を有しているか事前に確認しておきましょう。
遺品査定士や遺品整理士といった遺品整理関連資格を有している従業員が所属していればより安心です。買取査定の際には業者はもちろん、信頼できる担当者に依頼することも重要といえます。
従業員の対応をチェックしておく
依頼する前に電話や見積もりをする機会がある場合は、従業員の対応が丁寧であるか確認しておくことも大切です。
遺品整理や買取は故人が大切にしていたものを扱う非常にデリケートな業務であるため、真摯に対応してくれる従業員に依頼をしたいところです。明らかに態度が悪かったり、粗雑な行動が目立ったりする場合には、業務中も言動に出てしまう可能性が高いでしょう。遺品を丁寧に扱ってくれるか、遺族の気持ちを考えたうえで対応を行ってくれるか判断することも重要です。
見積もり書の内容をしっかり確認する
依頼を確定する前に、各作業について明確な価格表示がされているか確認しておきましょう。
価格設定が極端な場合には、あとから追加料金が発生する可能性もあるため、価格の理由も含めて確認するようにしましょう。買取査定額についても一括で提示されるものを確認するのではなく、各商品についての査定額をそれぞれ確認するのが大切です。
遺品整理業者に依頼する場合には買取額が遺品整理費用から差し引かれる場合もあるので、これらの内訳も確認しておきましょう。
複数の業者に査定を依頼する
査定や見積もりは複数の業者に依頼することが大切です。
複数の業者で査定することで最高値で買取を行ってくれる業者が判別できるうえ、各遺品のおよその相場もわかります。リサイクルショップや遺品買取業者などは買取価格に差がでることも多いので、事前に相場観を確認しておきましょう。
査定額だけでなく、各業者がどのようなサービスを提供しているか、どの業務で料金が発生するかといったことも確認しておくとよいでしょう。複数の業者に話を聞いておくことで、悪質な業者への依頼の回避にもつながります。
高級品は買取と回収を別の業者に依頼する
骨董品や美術品といった高価な遺品がある場合には正確な査定をする必要があるため、遺品の買取と回収を別の業者に依頼するのが無難です。
まずは骨董品や美術品など専門性の高い買取業者に査定を行ってもらい、そのあとでリサイクルショップ等の日用品買取、次いで遺品整理業者や不用品回収業者に依頼するのがよいでしょう。
時間的な余裕がなく、遺品買取にかかる手間を少なくしたい場合には買取業者と提携を結んでいる遺品整理業者に依頼するのも視野に入れましょう。その場合、提携先の買取業者の情報も確認しておくと安心です。
遺品買取で発生しがちなトラブル
遺品買取の際には業者や親族との間でトラブルが発生してしまうこともあるため、どんな問題が生じやすいか事前に把握しておくことが大切です。ここでは、遺品買取で発生しがちなトラブルをご紹介します。
不当な価格での買取
遺品買取に際して最も注意すべきといえるのが、不当な価格での買取です。悪質な業者の場合には故意に行われる場合もありますが、査定ミスなどによって故意ではない不当な価格での買取を行ってしまうケースもあります。
いずれにしても、実績・対応ともに信頼できる業者に依頼することが不当な価格での買取を防ぐための有効な対策になります。高額買取が期待できる遺品や価値がわからない遺品がある場合には特に、資格を有した信頼できる業者に買取を依頼しましょう。
遺品の窃盗
遺品買取の際には遺品の窃盗にも注意が必要です。現金や宝飾品などは特に窃盗の被害に遭いやすいため、細心の注意が必要です。
また、電子機器に記録されているデータやパスワードを見られてしまうことも一種の窃盗といえるでしょう。業者に作業を行ってもらうときに注意することはもちろんですが、親族が窃盗を行うケースも残念ながらないわけではありません。事前に貴重品だけ整理しておく、持ち物の管理を徹底するといった対策が必要になるでしょう。
相続に関するトラブル
遺品買取を行う際には相続トラブルにも注意が必要です。
相続人から同意を得ていない状態で遺品整理や買取を勝手に行ってしまうと、買取を終了したのちに争いになってしまう場合もあります。遺書やエンディングノートなど、故人が残した相続の意思を確認できるものがあれば確認してから遺品整理を進めましょう。遺品整理や買取を行う際には、相続人に同意を得てから行うことがトラブルの回避につながります。
遺品買取の前にやっておくべきこと
遺品買取の前の準備を行うことが、トラブルの回避につながる場合があります。ここでは、遺品買取の前にやっておくべき準備や行動についてご紹介します。
貴重品を事前に整理する
遺品買取を依頼する前に、貴重品だけ自分で整理しておくことをおすすめします。
高価な遺品を他の遺品と分けておくことで専門業者に買取依頼をしやすくなるうえ、破損や窃盗といったトラブルの回避にもつながります。
整理した貴重品は売るものと売るべきではないものを親族間で確認しておくのもよいでしょう。ただし、多くの遺品を整理すると時間がかかりすぎてしまうため、貴重品や大切な品物だけに絞って整理するのも大切です。
遺品をリストアップする
買取を行ってもらう前に、遺品のリストアップをしておくのもおすすめです。
書面に記録しておくことで買取や回収漏れを防ぐことに加え、窃盗などの被害を防ぐことにもつながります。また、リストアップした遺品が見つからない場合には、業者に捜索を手伝ってもらうこともできるでしょう。
買取依頼前の様子を撮影する
遺品整理や買取の作業を開始してもらう前に、作業前の部屋や遺品の様子を撮影しておきましょう。
写真で残しておくことで、窃盗や破損等のトラブルが発生した際の証拠として使用できます。貴重品の整理やリストアップと比べて手間がかからず、買取予定日まで時間がないときに実行しやすい点も魅力です。
遺族間で相続関連の確認を行う
遺品を勝手に買取に出してしまうと相続関連のトラブルに発展してしまう可能性があるため、事前に相続人の間で話し合いを行いましょう。
相続人同士で遺産分割協議を行い、相続する財産を記載する遺産分割行儀書を作成しておくと後に証明となるので安心です。買取金額の分配も含め、確認を行っておきましょう。
買取できなかった遺品の処分方法
遺品買取に際しては値段がつかなかったり、買取ができなかったりする遺品も出てくることでしょう。ここでは、買取ができなかった遺品の処分方法をご紹介します。
ごみとして廃棄する
遺品を買取してもらうのが難しいときには、ごみとして遺品を廃棄せざるを得ない場合もあるでしょう。
回収業者に依頼する場合と比較して遺品の運搬等の手間は発生しますが、比較的費用を抑えて遺品を処理できる場合が多い処理方法でもあります。
遺品にはさまざまな物品があるため、自治体のルールに従った処理が必要です。大型の遺品の場合には粗大ごみとして処理する際に料金がかかる、事前に回収依頼を行うといったケースもあるでしょう。
できる限り買取をしてもらえる業者を探してからごみとして廃棄するのがおすすめです。
不用品回収業者に依頼する
遺品の処理にかかる手間をできるだけ軽減したい場合には、不用品回収業者に依頼をするのもおすすめです。
ごみとして廃棄する場合に比べて費用は高くなる傾向にありますが、大型の家具や家電を運び出す手間などを軽減できるのは大きなメリットといえるでしょう。
遺品整理をする時期は時間的にも精神的にも余裕がない場合も少なくありません。遺品の処理や手続き等を業者に一任できるというのは、心の余裕にもつながるはずです。買取業者と同様、実績や評判などを参考にして信頼できる業者に依頼を行いましょう。
慈善団体に寄付する
慈善団体などに寄付を行うのも、遺品を処理する際の選択肢に入ります。まだ使えそうなのに買取してもらえない、といった遺品の場合には特におすすめの方法です。
不用品回収などと異なり、基本的には再利用が可能な遺品のみ利用できる手段という点には注意しましょう。故障したものや使うのが難しいものは受け付けてもらえないケースが一般的です。団体ごとに寄付を受け付けているものが異なるため、遺品に応じた団体を探す必要がある点にも注意が必要です。
神社で供養してもらう
お焚き上げというかたちで神社などで遺品を供養してもらうのも、遺品を処理する方法の一つです。
故人が大切にしていた遺品の場合には、ごみとして廃棄することや回収業者に依頼するのが心苦しい場合もあるでしょう。供養してもらうことで、親族の納得できる形で遺品の処理ができるはずです。ただし、ビニール製品やプラスチック製品、パソコンといった燃やすのが難しい遺品は取り扱ってもらえないのが一般的です。
依頼したい遺品が対応してもらえるか、事前に確認しておくようにしましょう。
遺品買取の際には事前準備をしっかりと
今回は遺品整理で買取を依頼する際の流れや買取額を上げるためのポイント、依頼すべき業者などを解説しました。
遺品買取では、より高額で買い取ってもらうことに加え、信頼できる業者に依頼をすることも大切です。いずれの場合も、事前準備やリサーチをしっかり行うことで自身が納得できる遺品買取になる可能性は高まります。葬祭の準備や手続きで忙しい場合にも、できる限りの準備をしてから遺品買取の依頼を行いましょう。