2024年01月30日 / 2024年01月30日 更新

遺族が亡くなって遺品整理を行う予定だけれど、同時に特殊清掃をすべきかどうかがわからない。そんな悩みを抱えている方もいることでしょう。両者は現場を片付ける点では共通していますが、その目的や作業内容は大きく異なります。

そこで今回は、遺品整理と特殊清掃の違いや、どちらを行うべきかの判断基準を解説していきます。専門業者に依頼を行う際のポイントも紹介するので、利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

遺品整理とは

遺品整理とは、故人が生前使っていた遺品や財産の整理を指す言葉です。遺族間で行うこともできますが、遺品の量によっては非常に手間のかかる作業となるため、専門業者に依頼する方も多くなっています。

また、遺品整理は物品の整理だけでなく、故人への思いを整理する貴重な時間でもあります。写真や手紙といった思い出の品の整理を通じて、故人との別れで動揺した心を落ち着けるよい機会になるでしょう。

内部リンク: 遺品整理とは?着手する際の注意点や業者の利用についてご紹介します!

特殊清掃とは

特殊清掃とは、故人が亡くなった現場を安全で清潔な状態に回復することを指します。事故死や孤独死といった状況においては、遺体の発見が遅れて遺体が腐敗して現場に体液などが付着してしまっている場合があります。

この場合は専門的な知識や道具が必要になるため、遺族間で対応することは難しく、専門業者に依頼することになります。処理が遅れると衛生面、健康面で近隣住民への被害が及ぶ可能性もあるため、特殊清掃が必要だと判断した場合には早急に業者に依頼することが大切です。

内部リンク:親族の死後の遺品整理はどう進める?孤独死後のケースもあわせて解説!

遺品整理と特殊清掃の違い

特殊清掃とは?遺品整理との違いや選択基準も解説!

遺品整理と特殊清掃は具体的にどのような点に違いがあるのでしょうか。ここでは、遺品整理と特殊清掃の違いを各項目に分けて解説していきます。

作業目的

遺品整理と特殊清掃の違いとしてまず挙げられるのは、作業を行う目的です。遺品整理は遺品の分別や処分といった作業が中心であり、故人や遺族の気持ちを鑑みて進めることが特徴です。実施時期についても明確には決まっていないため、比較的自由に依頼する時期を決定できます。

対して、特殊清掃は現場の安全確保、原状復帰が主な目的となります。特殊清掃は現場周辺の安全性確保の観点から早急に行う必要があるため、遺品整理とは異なりすぐに依頼をする必要がある点にも注意が必要です。

作業内容

遺品整理と特殊清掃では、具体的な作業内容も異なります。遺品整理では遺品の仕分けや売却、供養、相続関連手続き等が主要業務であり、特殊清掃では床や壁の清掃、消毒、消臭、害虫駆除などが主な業務内容になります。特殊清掃のほうがより専門的な知識や道具が必要になるため業務は専門業者に一任し、自身の判断では行わないようにしましょう。

作業時間

遺品整理と特殊清掃では作業時間も異なり、特殊清掃のほうが長い時間を要する傾向にあります。遺品整理の場合は部屋の広さや遺品の量、作業人員数に左右されますが、数時間から数日で完了する場合が多いです。

対して、特殊清掃の所要時間は現場状況に左右されます。汚れが軽度の場合には1日で終了することもありますが、発見が遅れてしまって体液が現場に染み込んでしまっている、悪臭が蔓延してしまっているといった場合には、数日から数週間かけて清掃をすることもあるでしょう。

実際の作業時間は現場の状況や作業内容、業者の対応によって異なるため、見積もりの際に事前に確認してから業務を依頼しましょう。

遺品買取の可否

遺品整理を行う場合、仕分けを行った遺品は買取業者に買取を依頼できます。対して特殊清掃の場合には、ほとんどの場合で買取依頼ができません。衣服や家電をはじめとした現場にあった遺品は臭いがついてしまっていることも多いため、基本的にはすべて処分することになるでしょう。

自分だけで行えるか

自分や遺族だけで作業を完了できるかどうかも、遺品整理と特殊清掃の違いです。遺品整理は物品の片付けが主な作業となるため、労力はかかるものの、業者に依頼せずとも作業を完了することは可能です。

対して特殊清掃は専門知識や道具が必要になるため、基本的に自分や遺族間で行うことはできません。無理に自力で進めようとすると、ウイルス感染などの健康被害や精神的なショックを被る危険があるため、現場に立ち入ること自体にリスクが伴います。

また、遺品整理についても身体的・精神的負荷が大きい作業であることに違いはありません。自分や遺族で行うのが難しいと感じたら、遺品整理業者に相談することをおすすめします。

費用

遺品整理と特殊清掃では、業者に依頼する際の費用も異なります。両者を比較すると、作業が長引きやすく、さまざまな薬品を使用する特殊清掃のほうが費用が高くなる傾向にあります。

ただし、遺品整理・特殊清掃ともに作業内容や人数によって費用が大きく変動します。作業を依頼する前には必ず見積もりを依頼して費用を確認し、複数の業者を比較することが大切です。

遺品整理の費用は主に以下のような要素を参照して決定されます。

・遺品の量

・作業人数

・作業時間

・現場の周辺環境

特殊清掃の費用は実施する業務内容を参照して決定され、主な業務は以下の通りです。

・部屋の脱臭作業

・オゾン消臭

・床や壁の清掃・張り替え

・不用品の処分

・害虫駆除

内部リンク:一軒家の遺品整理にかかる費用目安は?料金を抑えるポイントも解説します!

遺品整理と特殊清掃の関係

ここまで遺品整理と特殊清掃の違いを解説してきましたが、両者はまったく関係のない業務というわけではありません。ここでは、遺品整理と特殊清掃の関係をご紹介します。

特殊清掃に付随して遺品整理が必要になることも

特殊清掃を行うと同時に、遺品整理が必要になる場合があります。特殊清掃では体液が付着したり、臭いが染みついたりしている遺品はまとめて処分する必要があるため、必然的に遺品整理を行うことになります。

また、現場に遺品の量が多く、床や壁の清掃ができないといった場合にも、まず現場の遺品を整理する必要があるでしょう。このように、特殊清掃と遺品整理は並行して行われることもあることを念頭に置いておきましょう。

特殊清掃を行ってくれる遺品整理業者もある

遺品整理業者の中には、特殊清掃も同時に行ってくれる業者が存在します。遺品整理と特殊清掃をそれぞれ別の業者に依頼するよりも、手続きや作業の手間が少なく済み、費用も安く収まる傾向にあります。特殊清掃に付随して遺品整理が必要になる場合には非常に便利であるため、ぜひ利用を検討してみてください。

特殊清掃が必要になる状況

特殊清掃とは?遺品整理との違いや選択基準も解説!

ここでは、特殊清掃が必要になる具体的な状況をご紹介します。これらのケースでは大抵の場合は特殊清掃が必要になるため、迅速に特殊清掃を依頼する必要があります。

孤独死の場合

故人が亡くなった状況が孤独死で発見が遅れてしまった場合は、特殊清掃が必要になる代表的なケースといえます。現場の環境にもよりますが、遺体は数日で腐敗することが多く、一週間以上が経過してしまった場合には衛生面の悪化や臭いの充満はかなり進んでしまいます。

近年では少子高齢化に加え、未婚化の進行によって若い世代でも孤独死が増加しており、病死だけでなく自殺の増加も問題となっています。健康面、精神面の被害を抑えるためにも、孤独死が発覚した場合にはすぐに専門業者に相談しましょう。

事件性がある場合

故人の死亡に事件性がある場合にも、特殊清掃を依頼するのがよいでしょう。故人が事件に巻き込まれて亡くなったという事実は、遺族に多大なショックを与えます。

現場にいるだけでも精神的な負担は大きく、遺品整理自体が辛い思い出になってしまう可能性が高いでしょう。精神的な負担を和らげるためにも、特殊清掃を行っている遺品整理業者に依頼することをおすすめします。

現場がゴミ屋敷の場合

現場がゴミ屋敷になってしまっている場合にも、特殊清掃が必要になります。ゴミ屋敷の清掃はそもそも対処が難しく、そこで人が亡くなってしまった場合には、衛生面などの問題からさらに対処が難しくなります。

ゴミ屋敷の片付けをする場合には多くの荷物を運び出す必要があるため、非常に骨の折れる作業です。衛生環境の悪い現場で長時間の作業をするのは大変危険でもあるため、無理に片づけを進めようとせず、最初から専門業者に依頼するのが無難でしょう。

内部リンク:遺品の片付けはどうやる?作業の進め方や注意点を解説します!

遺品整理・特殊清掃業者の選ぶ際のポイント

ここからは、遺品整理業者や特殊清掃業者を選択する際のポイントをご紹介します。双方とも故人の現場を任せるデリケートな作業であるため、信頼できる業者に依頼しましょう。

見積もりを無料で行っているか

業者を選ぶ際には、見積もりを無料で実施している業者を選びましょう。遺品整理・特殊清掃ともに業務内容や費用を確定するために見積もりは必須であり、多くの業者は無料で見積もりを行っています。

見積もりを有料で行っている場合、悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。見積もりに際して費用が発生するかどうかはホームページや電話で事前に確認しておきましょう。

従業員の対応が丁寧か

従業員の対応が丁寧かどうかも、業者を選択する際のポイントになります。遺品整理も特殊清掃も、故人が生活した場所を清めるための大切な作業です。そんな重要な業務においてずさんな対応をされてしまったら、遺族にとっても気持ちのよいものではありません。電話対応や見積もりの際に受け答えや立ち振る舞いを確認し、信頼できると感じた業者に依頼するようにしましょう。

専門の資格を有しているか

専門の資格を有している業者に依頼することも、業者選択のポイントです。遺品整理、特殊清掃ともに専門的なノウハウが必要となるため、技術や知識を証明する資格は業者に対する信頼につながります。

遺品整理業者への依頼で確認しておきたい資格としては「遺品整理士」「古物商許可」「一般廃棄物収集運搬許可」などが挙げられます。特殊清掃業者では、特殊清掃に必要な技術を習得した証明になる「事件現場特殊清掃士」が主要な資格といえるでしょう。

消臭作業まで行っているか

特殊清掃を依頼する業者を選択する際には、消臭作業まで行っている業者であるか確認しましょう。特殊清掃では、消臭や除菌において特に専門的な業務が必要になります。見積もりの段階で消臭作業までしっかり担当してもらえるか、どんな製品や薬品を使って業務を行うかを確認しておくのがよいでしょう。

実績や口コミは問題ないか

業者を選ぶ際には、実績や口コミも参照して選択しましょう。遺品整理業者、特殊清掃業者では基本的にホームページが用意されており、サイト内で実績やお客様の声が公開されています。

実績豊富な業者であれば業務に慣れている従業員も多く、豊富な業務ノウハウも期待できます。作業件数や口コミ、作業中の様子などをホームページで確認し、信頼のおける業者を選定しましょう。

悪徳業者にありがちな特徴

特殊清掃とは?遺品整理との違いや選択基準も解説!

ここからは、悪徳業者にありがちな特徴をご紹介します。ずさんな業務や不当な高額請求といったトラブルに巻き込まれないためにも、悪徳業者を見分ける際に気をつけるべきポイントを確認しておきましょう。

極端に費用が安い

悪徳業者にありがちな特徴としてまず挙げられるのは、極端に費用が安いということです。遺品整理・特殊清掃には決して安くない費用がかかるため、できる限り費用を抑えたいと思うのは当然でしょう。

しかし、業者が提示する費用には薬品や機材費、不用品処分費といった必要経費が含まれています。あまりにも安い価格設定がされている場合には、必要な費用まで削減し、不当な業務を行っているケースが考えられるでしょう。

不法投棄等が発覚した場合には依頼者に責任が問われる場合もあるので、リスクを負わないためにも極端に安い業者に依頼するのは控えましょう。

見積もりの内容が不明瞭

見積もりの内容が不明瞭な場合にも、悪徳業者の可能性を疑いましょう。遺品整理・特殊清掃は現場によって業務内容が異なるため、合計額だけでなく内訳を確認することが大切です。不当な請求を避けるためにも、どの業務にどのくらいの費用がかかっているのかを明確にしておきましょう。

また、見積もりになかった業務が発生し、追加料金を請求されるケースもあります。追加料金が発生しない旨、書面に書き残してもらうと安心です。

事前の現場確認をしない

事前の現場確認をしない業者にも注意が必要です。遺品整理や特殊清掃は遺品の量や現場の状況によって作業時間や人員、費用などが大きく変わる業務です。必要な業務内容を決定し、正確な費用を提示するために、現場確認は不可欠といえます。急ぎの依頼の場合でも、現場確認及び見積もりは必ず依頼し、承諾してもらえない業者には依頼を控えるのが無難でしょう。

内部リンク: 遺品整理に際してやばい業者を避けるには?悪徳業者の特徴も解説!

ライフパートナーでは遺品整理・特殊清掃を一括で対応します

当社、ライフパートナーでは遺品整理・特殊清掃双方のご依頼を承っております。

双方を一括で当社にお任せいただくことで、ワンストップで短期間・低価格で業務を遂行します。

現場の原状回復をしっかり行ったうえで、遺品の仕分けや清掃を実施させていただきます。

遺品の仕分け後にも、気持ち新たに生活できるようしっかりと清掃をさせていただきます。

無料で行えるご相談は下記ページより承っておりますので、まずはお気軽のご相談ください。

遺品整理では特殊清掃による安全確保を忘れずに

今回は遺品整理と特殊清掃の違いや、どちらを行うべきかの判断基準を解説しました。遺品整理と特殊清掃はまったく関係のない事柄ではなく、両方行う選択も必要になります。遺族だけでも行える遺品整理に対し、特殊清掃は専門業者への依頼が必須の作業です。健康被害のリスクを抑えるためにも必要な場合は必ず特殊清掃を依頼し、安全性を確保してから遺品整理を行いましょう。