2023年12月05日 / 2024年01月31日 更新

遺品の片付けをする必要があるけど、何から手を付けていいのかわからない。そんな悩みを抱いている方も少なくないのではないでしょうか。遺品の片付けは行うタイミングや処分方法といった判断が難しく、心身ともに負担の大きい作業です。

そこで本記事では、遺品の片付けを行うタイミングや手順を解説していきます。片付けのポイントや注意点などもご紹介するので、遺品の片付けを行う予定のある方はぜひ参考にしてみてください。

遺品の片付けをするタイミング

遺品の片付けには相応の時間や労力がかかるため、適切なタイミングで行う必要があります。ここでは、遺品の片付けをするタイミングとして特におすすめの時期を紹介していきます。

葬儀のあと

遺品の片付けを行うタイミングとしてまずおすすめしたいのは、葬儀を執り行った後です。葬儀は遺族が多く集まるため、遺品の片付けに参加したい遺族がいる場合には非常に適したタイミングといえるでしょう。

注意点として、葬儀の前後は各種書類の作成や手続きで多忙になりやすいという点があげられます。故人が亡くなって間もないということもあり、心に余裕がない場合も多いでしょう。気持ち、環境ともに落ち着いて片付けを行えるという場合は葬儀後の数日間を検討してみましょう。

各種手続きを行ったあと

葬儀が終わり、各種手続きが落ち着いたあとも遺品の片付けに適したタイミングです。葬儀や手続きで忙しい時期を終え、時間的なゆとりができ、気持ちにも余裕が生まれるはずです。やるべきことを終わらせて、遺品の片付けに意識を集中できるタイミングといえます。

ある程度早い時期に遺品の片付けを行いたいものの、気持ちを落ち着けてじっくり片付けを行いたいという方におすすめのタイミングです。

四十九日法要のあと

四十九日法要のあとも、遺品の片付けに適したタイミングといえるでしょう。四十九日法要は故人が亡くなってから49日が経過した日に行われる法要で、遺族が喪に服す期間を終える日とされています。

故人が亡くなって約2ヶ月が経過しているため、葬儀の前後よりも故人が亡くなったことに対する気持ちの落ち着きも持てる時期で、遺族の予定も立てやすいはずです。片付けを急ぐ必要がなく、気持ちを落ち着けて片付けを行いたい場合におすすめのタイミングです。

相続税の申告期限前

相続税の申告期限前も、遺品の片付けを行う際に検討したいタイミングです。相続税の申告を行う際には相続財産を正確に確認する必要があるため、遺品の片付けを行って遺品や財産目録等を整理する必要があります。

具体的な期限は故人が亡くなった日の翌日から10ヶ月で、この期限を過ぎると加算税や延滞税が発生してしまいます。申告の準備にかかる期間も考慮したうえで、期限前に余裕を持って遺品の片付けを終わらせましょう。

内部リンク:遺品整理はいつから始める?計画に際してのポイントや注意点も解説!

遺品の片付けで行うべき事柄

遺品の片付けは荷物の整理だけで終わるわけではありません。ここでは、遺品の片付けに際して行うべき事柄を紹介していきます。

遺品の処分

遺品の片付けにおいて主要な作業となるのが遺品の処分です。故人が賃貸住宅を利用していた場合はもちろん、持ち家で生活していた場合にも故人の部屋に遺品を放置しておくわけにはいきません。

ただし、遺品をすべて捨てていけばよいというわけではない点には注意しましょう。貴重品や相続対象となっているものとの仕分けを行ってから、処分を慎重に判断する必要があります。遺品の仕分け方については別項で詳しく解説していきます。

遺品の供養

遺品の片付けにおいては、遺品の供養をすることもあるでしょう。寺や神社で供養を行うことで故人や遺品を捨てることに対するうしろめたい気持ちが和らぎ、スムーズに遺品の片付けが進められます。

供養は遺品の片付けにおいて必須というわけではありませんが、遺族の精神的な負担を和らげるための大切な事柄です。遺族間で話し合ったうえで、必要に応じて行いましょう。

相続関連の確認

遺品の片付けにおいては、相続関連の確認も行うべき事項に含まれます。

相続関連の確認を行わずに片付けを進めてしまうと、相続や形見分けをする予定だった遺品を勝手に処分してしまった、というトラブルにつながる可能性があります。実際に作業を始める前に、遺言書やエンディングノートで相続関連の事項や故人の遺志を確認するようにしましょう。

内部リンク:遺品整理とは?着手する際の注意点や業者の利用についてご紹介します!

遺品を片付ける際の仕分け方

遺品の片付けはどうやる?作業の進め方や注意点を解説します!

遺品を片付ける際には、遺品を大まかに分類していくことが大切です。ここでは、遺品を仕分ける際にどのような区分で仕分けを行うべきか解説していきます。

思い出の品

遺品を片付ける際には、まず故人の思い出の品を仕分けておくようにしましょう。写真や手紙といった遺族にとっての思い出の品に加え、趣味のコレクション等の故人にとっての思い出の品も仕分けておくことをおすすめします。

これらの思い出の品については処分方法に悩むため、生前から確認しておき、遺族間でもしっかりと確認しておくべきです。思い出の品や形見は遺品の片付けに際して特に注意して仕分けておきたい遺品といえるでしょう。

貴重品

貴重品についても遺品の片付けの際に優先的に仕分けをしておきたいところです。骨董品や貴金属といった高価買取が期待できる遺品に関しては、各遺品の専門の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

また、各種契約書類や有価証券、土地の権利書といった故人の権利を示す書類についても貴重品として仕分けを行います。相続の際に参照することになるため、保管したうえで遺族や専門の税理士等に相談しましょう。

再利用できるもの

処分せずに再利用することを検討している遺品についても仕分けを行っておきましょう。

代表例としては、衣服や新しい家電・家具などが挙げられます。これらは業者が引き取りを行ってくれたり、リサイクルショップや専門店で買い取りをしてもらったりできる可能性もあります。

大型の家具などは処分にお金がかかる場合もあるため、再利用できそうなものはできるかぎりまとめて業者に引き取りもしくは買い取りをしてもらうのがよいでしょう。

廃棄するもの

廃棄処分にする遺品も、他の遺品としっかり仕分けておきましょう。

遺品は総じて捨てづらいものですが、すべての遺品を手元に残しておくわけにはいきません。捨てるべきものをはっきり仕分けておくことで、本来不要なものをむやみに残してしまうことを防げます。また、誤って必要なものを捨ててしまうトラブルの防止にもつながるでしょう。

内部リンク:遺品の買取で高額買取を狙うポイントは?買取に際しての注意点も解説します!

遺品の片付けを悔いなく進める方法

ここからは、遺品の片付けを悔いなく進める方法をご紹介します。遺品をなかなか捨てられない、といった悩みで片付けが進まない場合にはぜひ参考にしてみてください。

遺品の供養を行う

遺品の供養は片付けを悔いなく行う際に有用な選択肢となります。遺品の供養は寺や神社で行われるお焚き上げなどが代表的で、故人の遺品を捨てる際の精神的な負担を和らげることができるでしょう。

写真や日記、衣類といった故人との思い出がつまった遺品の場合は特に供養を検討することをおすすめします。供養は遺品を寺や神社に持ち込んで行う合同供養や僧侶が現場に赴いて行う現場供養などさまざまな方法があるので、自身に合った方法で供養の依頼を検討しましょう。

遺品を再利用してもらう

遺品を再利用してもらうことも、遺品の片付けを悔いなく進めるための選択肢となります。物品を捨てる際には故人に対する思いに加え、「捨てるのがもったいない」という罪悪感を感じることもあるでしょう。

寄付やリサイクルといった手段で遺品の再利用をしてもらうことで、故人の遺品を捨てるという心の負担を軽減できます。

また、故人の遺した遺品が誰かの役に立つのだという思いもまた、心の負担を和らげてくれるはずです。捨てることに抵抗がある場合には、遺品の寄付や再利用を検討しましょう。

写真やノートをデータ化する

写真やノートなどを捨てる決心がつかない場合は、遺品をデータ化するのもおすすめです。データ化することで荷物がかさばるのを防ぐことができるうえ、必要があれば再びデータを写真や紙に復元することも可能です。

データ化はスマートフォンやパソコンを利用して自身で行うことができるほか、データ化専門の業者も存在します。遺品の片付けに加え、故人の遺品をより長く安全に保管することを考えても、データとして保存できる遺品がある場合には検討してみましょう。

内部リンク:生前整理とは?行うメリットやタイミング、具体的な方法を解説します!

遺品を片付ける際の注意点

遺品を片付ける際の注意点

ここからは、遺品を片付ける際の注意点をご紹介します。思わぬトラブルを引き起こさないよう、入念に確認した上で遺品の片付けを始めましょう。

片付け始める前に遺言書を確認する

遺品の片付けを始める前には、遺言書の確認を行いましょう。

遺言書の内容には法的効力が発生するため、遺言書に遺品の片付けに関する記述があった場合には、その指示に従って片付けを進める必要があります。遺品の片付けや遺産分割が終わった後に遺言書が見つかった場合には、遺言書の内容に即して再度やり直すことになる可能性もあるため注意が必要です。

遺言書と似たものとしてエンディングノートが挙げられますが、こちらは遺言書と異なり法的効力は発生しません。片付けを行う際の指針としては参考になるため、こちらも内容を確認しつつ片付けを進めるのがよいでしょう。

片付けは遺族の合意のもとで行う

遺品の片付けを行う際は、必ず遺族の合意のもと行いましょう。故人が一部の遺族に遺品の相続に関する話を伝えていた場合には、勝手に片づけを進めてしまうことでトラブルに発展してしまう場合もあります。

無断で片付けを開始してしまうと、相続の対象となっている遺品を処分してしまった、というような大きなトラブルにつながりかねません。可能であれば片付けを一人で行うのではなく、多数の遺族が集まれるタイミングで行えると安心です。

捨てるか悩んだものは保留する

片付けの際に捨てるか悩んだ遺品は一旦保留しておくことも大切です。特に写真や手紙といった故人との思い出の品は一度捨ててしまうと復元や買い戻すことができないため、判断の際には細心の注意を払いましょう。

保留した遺品は時間を置いて気持ちが落ち着いたタイミングで再度検討する、遺族間で相談して処分方法を決定する、といった対応を行うとよいでしょう。

内部リンク:生前整理を行うメリット(「生前整理とは?行うメリットやタイミング、具体的な方法を解説します!」より)

遺品の片付けを業者に依頼するメリット

遺品の片付けに時間を割けなかったり、精神的な負担を感じたりする場合には遺品整理専門の業者への依頼も検討しましょう。ここでは、遺品の片付けを業者に依頼するメリットを解説していきます。

心身ともに負担を軽減できる

遺品の片付けを業者に依頼するメリットとしてまず挙げられるのは、心身ともに負担を軽減できる点です。

遺品の片付けは遺品の運搬をはじめとした肉体的な負担に加え、故人との思い出を振り返る、相続関連のことを考える、といった精神的な負担も非常に大きい作業です。特に、ご高齢の方は自力で行うことが難しい場合も多いでしょう。

業者に依頼をすれば遺品の片付けを一任できるため、心身ともに負担を抑えつつ遺品の片付けを完了できます。特に遺品の片付けを専門にしている遺品整理業者であれば、故人や遺族の心に寄り添う対応を心得ているため、安心して片付けを依頼できるでしょう。

遺品の片付けにかかる時間を削減できる

遺品の片付けにかかる時間の削減につながる点も、業者に依頼するメリットです。遺品の片付けは丸一日、場合によっては数日にわたって行われる作業です。仕事や日常生活の合間を縫って行うには負担が大きく、遺族間の日程調整に苦労することもあるでしょう。

そんな時、作業に熟練した業者に依頼をすれば、より効率的かつ短時間で遺品の片付けを完了できます。作業日程についても相談できるため、遺品の片付けに着手する予定がなかなか立てられないという方には一度遺品整理業者に相談してみることをおすすめします。

片付け以外の作業もまとめて依頼できる

片付け以外の作業もまとめて依頼できる点も、業者に依頼をするメリットといえるでしょう。遺品の片付けにおいては、遺品の買取、相続手続き、現場の清掃をはじめとした遺品の整理以外の作業も数多く発生します。

遺品の片付けを専門にしている遺品整理業者では、これらの業務も一括で依頼することが可能です。複数の業者に依頼をする手間を省くことができるため、遺品の片付けに関する事柄を一括で済ませたいと考えている方には遺品整理業者への依頼がおすすめです。

内部リンク:遺品整理を依頼する際の相場は?費用を抑えるためのポイントも解説します!

遺品の片付けは負担が少ない方法で計画的に行おう

本記事では、遺品の片付けを行うタイミングや手順を解説しました。

遺品の片付けには心身ともに少なくない労力がかかるため、遺族の負担が少ない方法で進めることが大切です。無理なスケジュール設定や心の整理がついていない状態で片付けは避け、必要に応じて遺品整理業者への依頼を検討することも重要です。自身や遺族に適した方法で、計画的に遺品の片付けを進めていきましょう。