2024年03月26日 / 2024年03月26日 更新

遺品整理を行っている際に現金を発見したけど、どのように対処すればよいかわからない。そんな疑問を抱く方も少なくないでしょう。遺品整理で発見された現金は相続財産として扱われるため、適切な対応をしないと相続トラブルに発展する可能性もあります。

そこで本記事では、遺品整理で現金を発見した際の対応や代表的なトラブルなどをご紹介します。現金トラブルを防ぐための方法も解説しますので、これから遺品整理を予定している方もぜひ参考にしてみてください。

遺品整理で発見された現金は相続財産になる

遺品整理で発見された現金は、相続財産として扱われます。相続財産は遺産分割協議によって相続人が決定されるため、現金が見つかった場合には相続人同士で情報共有をする必要があります。

相続財産は相続税や贈与税を決定する際に参照されるため、適切に申告する必要があります。脱税等のトラブルに発展しないよう、現金を発見した際には遺産目録等への記録も忘れずに行いましょう。

遺品整理で現金が発見されやすい場所

遺品整理で現金を発見した際の対応は?現金トラブルの防止方法も解説します!

遺品整理で現金が発見されやすい場所としては、以下のような場所が挙げられます。遺族間で遺品整理に着手する場合には、ここで紹介する場所を入念にチェックしましょう。

机の引き出しは現金の保管場所として利用されることの多い場所です。現金のほかにも様々なものを収納する場所であるため、他のものに紛れて現金を入れていたことを忘れてしまうケースも少なくありません。遺品整理の際にはまず机を中心に、引き出しの探索から始めるのがよいでしょう。

タンス

タンスは「タンス預金」という言葉ができるほど、現金を保管する際にメジャーな場所となっています。誰かがひそかに現金を保管している、いわゆる「へそくり」の隠し場所としても利用されがちな場所です。衣服のポケットに現金が紛れている場合もあるため、合わせて確認するとよいでしょう。

本棚

本棚も現金が見つかる可能性の高い場所です。本の間に挟んでいるケースもあるため、本を処分する場合には、ページの間に挟まっているものがないか確認してから処分しましょう。現金の他にも、大切なメモや写真が挟まっている可能性も高い場所です。

仏壇

仏壇も現金の保管場所として使われがちな場所です。仏壇には引き出しがついていることが多いため、机やタンスの代わりに大切なものを保管する方が多いようです。故人の部屋に仏壇がある場合には、特に入念に確認するようにしましょう。

バッグ

故人が使っていたバッグからも、現金が見つかることが多くなっています。財布が入っている場合はもちろん、非常用で財布とは別に現金を入れている方も少なくありません。バッグが残っている場合は、小さなポケットなども確認するようにしましょう。

布団

故人が使っていた布団も、入念にチェックする必要があります。布団の下に封筒に入れた現金を隠しておく、ということは少なくありません。ベッドを使っていたり、常に布団が敷いてあったりする場合には入念にチェックしましょう。

キッチン

キッチンから現金が発見されるパターンもあります。食器棚の奥や貯蔵庫など、自分以外が確認しない場所には隠しやすいようです。故人が頻繁にキッチンを利用し、他の家族があまりキッチンを使わない場合には、入念にチェックしてみましょう。

内部リンク:遺品の片付けはどうやる?作業の進め方や注意点を解説します!

遺品整理で発生しがちな現金トラブル

遺品整理では、現金が原因となって発生するトラブルが少なくありません。ここでは、遺品整理で発生しがちな現金トラブルの代表例をご紹介します。

現金に気づかず処分してしまう

遺品整理における現金トラブルとしてまず挙げられるのは、現金の存在に気づかずに処分してしまうことです。カバンや衣服、本といった小物に現金が紛れていた場合には、しっかり確認しないまま処分してしまうこともあるでしょう。

故人が現金を隠していたケースも考えられますが、保管場所を誰かに伝えていたり、遺言書やエンディングノートに記載している可能性もあります。本格的に遺品整理に着手する前に、故人の遺志をしっかり確認しましょう。

周囲への報告なしに現金を回収する

周囲への報告なしに現金を回収することも、遺品整理で頻繁に発生する現金トラブルの一つです。遺品整理中に現金を発見し、独り占めしたいがために周囲の報告をしないというのが代表例といえるでしょう。

無断で現金を回収する行為は発覚した場合窃盗と判断されてしまうため、絶対に行わないようにしましょう。

悪徳業者による窃盗

悪徳業者による現金の窃盗も、注意しておかなければいけないトラブルです。業者に依頼する場合、基本的には遺品の探索や片付けは従業員が行います。そのため、探索中に発見した現金をそのまま回収されてもなかなか気づくことができません。

遺品整理を依頼する際にはできるだけ現場に立ち会うことを意識するほか、依頼する際に信頼できる業者かどうかしっかり判断しましょう。

内部リンク:遺品整理で捨ててはいけないものは?起こりがちなトラブルなどとあわせて解説!

遺品整理における現金トラブルを防止する方法

ここまで遺品整理で頻発する現金トラブルを紹介しましたが、これらを未然に防ぐにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、遺品整理における現金トラブルを防止する方法を具体的に紹介していきます。

遺言書を事前に確認する

現金トラブルを防止するため、遺品整理を行う前には遺言書を必ず確認しましょう。遺言書やエンディングノートに現金の保管場所が記されている場合があります。

また、これらを確認することは故人の遺志を明確にし、相続人の間でのトラブルの防止にもつながります。後から遺言書を確認して相続や遺品整理のやり直しが発生しないよう、事前の確認を強くおすすめします。

財産目録に記録する

遺品整理で現金トラブルを防ぐには、財産目録への記録も欠かせません。財産目録は遺品を含む、故人の財産を一覧で確認するための書類です。財産目録への記録を行うことで、現金を発見した際の対応もしやすくなります。

財産目録の記録は義務ではないものの、相続の際に必要になる相続税の計算や、遺産分割をスムーズに行うための助けとなります。相続人同士で適切に情報共有をするためにも、財産目録への記録はぜひ行いたいところです。

遺産分割協議での報告を怠らない

現金を発見した場合、遺産分割協議での報告を怠らないことがトラブルの防止につながります。遺産分割協議は相続人による話し合いのことで、遺産の分割方法はここで決定します。

前述の通り、発見された現金も相続財産として扱われるため、遺産分割協議によって対応が決定されます。ここで現金を発見したことを隠ぺいすると、相続税関連のトラブルのほか、遺族とのトラブルにも発展しかねないため、報告は必ず行いましょう。

遺族で集まって遺品整理を行う

遺族で集まって遺品整理を行うことも、現金トラブルの防止につながります。もし遺品整理を行うのが一人だけの場合、現金の窃盗が発生しても誰も気づくことができません。しかし、遺族が集まって遺品整理を行うことで窃盗を未然に防ぐことにつながります。

また、その場で遺品や相続に関する相談や情報共有ができるため、意見の対立や認識の違いも防ぐことができるでしょう。

現金が発見されやすい場所は念入りにチェックする

先述した現金が発見されやすい場所については、特に念入りにチェックすることが大切です。

遺言書やエンディングノートに遺品に関する記載がない場合には自力での探索が必要ですが、家中をくまなく探索するのは身体的な負担も大きく、現実的ではありません。特に現金が発見されやすい場所を念入りに確認することが、トラブルの防止につながります。

悪徳業者への依頼を避ける

窃盗などの被害を抑えるためにも、悪徳業者への依頼を避けることは大切です。遺品整理は身体的にも精神的にも負担の大きな作業ですので、業者に頼らざるを得ない場合も少なくないでしょう。

その場合、遺品整理における大半の作業を業者に一任することになるため、現金トラブルに限らず、あらゆるトラブルを回避するためにも業者選びは慎重に行う必要があります。優良な業者の選び方は本記事後半で紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

内部リンク:遺品整理業者とのトラブルには要注意!対策や悪徳業者の特徴を解説します

現金以外で発見されることの多い貴重品

遺品整理で現金を発見した際の対応は?現金トラブルの防止方法も解説します!

遺品整理では、現金以外にも貴重品が頻繁に発見されます。ここでは、注意して探索すべき貴重品の代表例をご紹介します。

財産的価値の高いもの

財産的な価値が高いものとしては、骨董品やコレクター品などが挙げられます。

これらの物品は知識がないと価値の判別が難しく、誤って捨ててしまうことも少なくありません。適切な価格で相続を行うためにも、専門の買取業者に査定を依頼し、遺産分割協議で処理を決定するのが良いでしょう。

各種手続きに必要になるもの

各種手続きに必要になるものとしては、印鑑や通帳、契約書や土地の権利書などが挙げられます。これらを処分してしまうと相続や契約更新におけるトラブルに発展してしまいます。

また、貴重品の存在が分かっている場合には、業者に依頼する際にも事前に報告をしておくと探索がしやすくなるでしょう。

内部リンク:相続放棄したら遺品整理はどうする?

現金トラブルの心配なく依頼できる遺品整理業者の選び方

ここからは、現金トラブルを心配することなく業務を依頼できる優良業者の選び方を解説します。遺品整理業者の利用を考えている場合には、これらを判断基準として業者を選択してみてください。

遺品整理に必要な資格を有しているか確認する

優良業者を選定する際にまず参照したいのは、遺品整理に必要な資格を有しているかどうかです。遺品整理の専門資格としては「遺品整理士」があり、実務的な知識だけでなく、現場での立ち振る舞いや心遣いについても心得ています。

また、遺品整理の業務内容は多岐にわたるため、買い取りや廃棄物の処理に必要な資格も確認しましょう。

資格名業務内容の例
古物商許可遺品の買い取り
一般廃棄物収集運搬業許可廃棄物の処理
一般貨物自動車運送事業許可       形見分けを有料で配送する
遺品査定士不用品回収
遺品整理士遺品整理関連業務全般
事件現場特殊清掃士特殊清掃

見積もりや電話での対応を確認する

見積もりや電話での従業員の対応を確認することも、優良業者を選定する際に重要な事柄です。遺品整理は故人の過ごした空間で遺品を取り扱う、非常にデリケートな作業です。

遺品を手荒く扱ったり、故人や遺族に対するリスペクトのない言動をされたりすると、安心して遺品整理に取り組むことができません。一度しかない遺品整理を悪い思い出にしないためにも、自分が本当に信頼できると感じた業者に依頼をしましょう。

見積もりの内容が明確

見積もりの内容が明確であることも、優良業者の特徴です。遺品整理では遺品の探索や仕分けのほか、現場の清掃や遺品の供養など、多くの業務が発生します。そのため、合計金額だけではなく、どの作業にいくら費用がかかっているか、という内訳の確認が重要になります。

予期しない費用の発生を防ぐためにも見積もりは書面で確認し、追加料金が発生する可能性も事前に確認しておくのが良いでしょう。

複数の業者から相見積もりを取る

優良業者を選定する際には、複数の業者から相見積もりを取ることも有効です。

複数の業者を比較することで費用感を知ることができ、従業員の対応やサービス内容についても比較ができます。見積もりは多くの業者で無料で実施されているため、手間を惜しまず相見積もりの依頼をすることをおすすめします。

内部リンク:遺品整理とは?着手する際の注意点や業者の利用についてご紹介します!

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遺品整理で現金が見つかったら慎重な対応を

今回は、遺品整理で現金を発見した際の対応や代表的なトラブルについて解説しました。遺品整理で現金を発見した際には、正しく対応を行わないと相続をはじめとした深刻なトラブルに発展しかねません。

また、遺言書や親族の証言から、故人の言葉を事前に確認しておくことが現金トラブルの防止につながります。本格的に遺品整理を始める前の確認はしっかり行い、現金発見時には慎重に対応を行いましょう。