2023年12月05日 / 2023年12月05日 更新

遺品整理をしていると、故人の思い出の品を処分することに抵抗を感じる瞬間もあるでしょう。そんなときは、遺品供養を検討するのがおすすめです。お焚き上げをはじめとした遺品供養を行うことで、思い出の品を手放すことに対する精神的な負担を抑えることができるでしょう。

本記事では遺品供養を行う理由や方法、費用等を解説していきます。遺品の処理に困っている、遺品供養を行うことを検討しているという方はぜひ参考にしてみてください。

遺品供養とは

遺品供養とは、故人が大切にしていたものを捨てる際に遺品を浄化して魂を抜いてから処分することを指す言葉です。

遺品供養は遺品を燃やすお焚き上げによって行われることが多く、寺や神社で行う場合にはお経を唱えてもらうこともあるでしょう。故人に思いを馳せる時間を経て遺品を処分することで、遺品を捨てるにあたっての心持ちも大きく変わってくるはずです。

遺品供養は燃えるものであればお焚き上げできることが多く、仏壇等のほかにも小物や写真といった遺品も対応できるケースが多くなっています。その他の遺品も幅広く対応してもらえるので、対応の可否を依頼時に確認しておくとよいでしょう。

遺品供養を行う理由

遺品供養を行う理由としては、遺品を処分する際の心の負担を和らげるという意味合いが大きいでしょう。

日本ではものに魂が宿るという考えや、罰当たりといった考えが風習として根付いているため、ものを捨てる際に後ろめたさを感じてしまう方もいらっしゃることでしょう。故人の写真や大切にしていたものを処分する場合には、捨てるに捨てられなくなって遺品整理が進まなくなってしまうこともあるかもしれません。

遺品整理においては少なからず遺品を捨てる必要があるため、心の負担も大きい作業です。遺品供養を行うことで気持ちが和らぐようであれば、遺品供養を検討すべきといえるでしょう。

遺品供養は必須ではない

遺品整理において、遺品供養は必須ではないという点も確認しておきましょう。前述の通り、遺品供養は心持ちや信仰等によって必要か否かを判断するものなので、不要だと感じるようであれば無理に行う必要はありません。

遺品供養を行うことで気持ちの整理がつく、故人への感謝の気持ちを忘れずにいられる、といったことがあれば、遺品供養を行うことをおすすめします。

遺品供養を行う時期

遺品供養を行う時期は特に決められていないため、遺族の都合に合わせて調整可能です。葬儀の前後などは式や書類の準備で多忙である可能性が高く、遺品供養にまで手が回らないかもしれません。

遺品供養では落ち着いて故人に思いを馳せることが大切なので、落ち着いた時間を確保できる時期に行う方がよいでしょう。遺品整理は四十九日法要の後に行うことが多いため、遺品供養に関しても同様の時期に行うと遺品整理が進めやすくなるはずです。

供養を行うことの多い遺品

遺品供養は故人とのつながりが強い遺品、思い入れのある遺品を対象に行う機会が多くなります。供養を行う遺品についても遺族の意思にゆだねられているため、遺族間で相談のうえ、供養が必要だと感じた遺品を供養してもらうのがよいでしょう。

一例として、遺品供養を行うことが多い遺品としては以下のようなものが挙げられます。

・写真

・手紙

・日記

・衣類

・寝具

・ぬいぐるみ

これらの遺品は故人や遺族にとって思い入れの強いものであるため、処分のしづらさを感じることも多いでしょう。遺品整理の際に迷ったら遺品供養を検討することをおすすめします。

また、お焚き上げをせずに残しておきたい物品については、故人が亡くなる前に生前整理等で故人の意志を確認しておくのがよいでしょう。

遺品供養の方法

遺品の供養は必要?行う意味や方法、時期や相場について

遺品供養を依頼する際には、さまざまな選択肢から遺品供養の方法を選ぶことになります。ここからは、遺品供養を行う際に選択できる主な方法をご紹介します。

合同供養

合同供養は業者もしくは寺や神社に遺品を持ち込んだうえで、他の方が持ち込んだ遺品と一緒に供養をしてもらう方法です。一括で供養を行ってもらえるため比較的安価で請け負ってもらえる供養の方法となっています。

業者によっては持ち込みに加え、郵送での対応を行っている場所も存在するため、各業者の対応を事前に確認しておきましょう。合同での供養に抵抗がある場合には、他の方との遺品と分けて供養を行ってくれる個別供養を行っている業者や寺、神社を探すのもよいでしょう。

個別供養

個別供養は他の方の遺品とは分けてお焚き上げ等の供養を行う方法です。供養の時間をゆっくり過ごし、故人への思いを馳せたいといった場合に利用を検討してみましょう。ただし、個別対応が必要になる分、合同供養よりも費用が高くなりやすいという点には注意が必要です。

現場供養

現場供養は故人が生活していた場所に僧侶が赴いて供養を行う方法です。故人、遺族にとって慣れ親しんだ場所で供養ができるため、落ち着いた気持ちで供養を進めることができる点が魅力の供養方法です。

また、寺や神社への運搬が難しい大きめの遺品などがある場合にも、便利な供養方法となるでしょう。

遺品供養・お焚き上げ業者に依頼

遺品供養やお焚き上げを専門で行っている業者へ依頼するのも、遺品供養を行う方法です。

基本的には供養したい遺品を箱に詰めて郵送する形でのサービスとなるため、遺品を持ち運ぶ必要もなく、日程も比較的自由に対応できる点も魅力です。寺や神社に持ち込んで供養を行う場合と比較して、運搬や手続きの手間を大きく削減できる点は大きなメリットといえるでしょう。

遺品整理業者に依頼

遺品整理業者によっては、遺品供養やお焚き上げまで一括で対応を行っている業者も存在します。

近隣に寺や神社がない場合や供養する場所にこだわりがない場合などは、遺品整理業者のサービスを検討するのもよいでしょう。遺品整理と同時に遺品供養を行う場合には、一括で申し込みや支払いを行えるため、手間が少なく済む点も魅力です。

遺品供養にかかる費用相場

ここまで遺品供養の方法を紹介しましたが、遺品供養にかかる費用は供養の方法によって変動します。基本的には対応のための時間やコストが大きくなると、費用も高くなる傾向にあります。

費用は業者や場所によって異なるため、あらかじめ複数の候補を用意して値段を比較しておくのがよいでしょう。

遺品供養にかかる費用相場は以下の通りです。

合同供養0円~1万円
個別供養2万円~7万円
現場供養2万円~7万円

また、郵送を行う場合には遺品の量によっても費用が変動します。遺品の量ごとの費用目安は以下の通りです。

お焚き上げ(段ボール1箱未満)1,500円~3,000円
お焚き上げ(段ボール1箱程度)5,000円~10,000円
お焚き上げ(仏壇等の大型遺品)1万円~3万円

遺品供養を依頼して悔いのない遺品整理を

本記事では遺品供養を行う理由や方法、費用等を解説しました。遺品供養を行う最大の目的は、遺族が気持ちよく故人の遺品整理を行うことです。遺品供養を行わなくても遺品整理を完遂することはできますが、遺品を捨てる際に迷いや後ろめたさを感じる場合には、ぜひ遺品供養を行うことをおすすめします。

遺品整理は故人への思いを馳せながら身の回りの整理を行う大切な時間です。故人や遺族間での遺品整理をよい思い出にするためにも、必要を感じたら遺品供養の実施を検討してみましょう。