2023年12月05日 / 2023年12月05日 更新

遺品整理業務の需要が高まっている昨今、遺品整理士への依頼を考えている方は年々増加傾向にあります。遺品整理士の仕事に興味があり、資格取得を検討している方も少なくないでしょう。遺品整理士の資格は遺品整理士認定協会が認定を行いますが、当協会について詳しく知らない方も多いかもしれません。

そこで本記事では、遺品整理士認定協会と、当協会が認定している遺品整理士の資格についてご紹介します。遺品整理士の仕事に興味がある方はもちろん、遺品整理士に仕事を依頼したい方も参考になる内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

遺品整理士認定協会とは

遺品整理認定協会は、その名の通り遺品整理士資格の認定を主な事業として活動している団体です。正式名称は「一般財団法人遺品整理士認定協会」で平成22年に設立、令和5年で13周年を迎えました。遺品整理士の会員数は5万人を超えており、1,300社超の法人会員および多数企業と提携を行っています。

実務的な知識を有する遺品整理士の育成はもちろん、遺品整理に対する心持ちを正しく有した遺品整理士の育成を目的としています。遺品整理士の研修や育成、開業のサポート等も行っているのが特徴です。

遺品整理士認定協会設立の背景

遺品整理士認定協会は、少子高齢化による遺品整理業務の需要の拡大に対応すべく設立されました。

遺品整理は業者に依頼せずに遺族間で行うこともできますが、身体的・時間的な負担はかなり大きい作業です。専門家である遺品整理士に一括で依頼を行うメリットは決して少なくないでしょう。

しかし、遺品整理は頻繁に依頼を行うものではないため、業務内容や業者への依頼方法などが不明瞭な業種でもあります。需要の拡大に伴って遺品整理業者の数も増加傾向にありますが、正しい業務知識や心構えを備えた遺品整理士の数はまだまだ限られているのが現状です。

依頼者が遺品整理への知見がないことに付け込んで、不当な高額請求や不法投棄などを行う悪徳業者も存在します。

上記のような状況を改善するには、遺品整理に必要な業務知識や心構えをしっかり備えた人材の育成が必要です。遺品整理士認定協会は依頼者が安心して依頼を行える環境づくりも担っているのです。

遺品整理士認定協会の活動内容

遺品整理士認定協会では、多岐にわたる活動を行っています。ここからは、遺品整理士認定協会の主な活動内容をご紹介します。

遺品整理士資格の認定試験

遺品整理士認定協会の活動内容としてまず挙げられるのは、遺品整理士資格取得のための認定試験です。遺品整理士資格は遺品整理士認定協会が創設した民間資格で、本資格によって遺品整理業者のスキルを明確にし、遺品整理業界をより健全なものにすることを目的としています。

認定試験では実務知識に加え、遺品整理を行う際の心構え、故人や遺族に配慮した立ち振る舞い等が問われるのも特徴です。認定試験の合格率はおよそ65%とされており、年間3000人ほどの遺品整理士を輩出しています。

遺品整理士の研修・育成

遺品整理士認定協会では、遺品整理士の研修や育成も行っています。認定試験を受ける際には教本、資料集、DVD、問題集を利用した通信講座の受講を行い、基礎知識を学びます。

遺品整理業者を対象とした現場体験や開業サポートセミナーも開催しており、試験合格後も遺品整理士のスキルを磨くことができる環境の構築に努めています。

遺品整理士の開業サポート

遺品整理士の開業サポートを行っているのも、遺品整理士認定協会の特徴です。

定期的に開催されるセミナーを通じて、開業に必要な基礎知識、経営ノウハウ、集客方法等、遺品整理業者が活動を行うために必要な知識を伝えています。依頼者からの問い合わせへの対応方法、書類の作成方法、実務的な業務フローなど、遺品整理業者を開業する際に欠かせない知識を習得できます。

遺品整理に関するルールの整備

遺品整理士認定協会では遺品整理に関するルールの整備も行われています。依頼者が安心して依頼を行うための遺品整理サービスガイドラインを策定し、遺品整理業界が安心安全の業界に発展するよう尽力しています。

遺品整理サービスガイドラインでは法令順守や情報開示、料金体系の明確化などが義務付けられており、遺品整理士認定協会の会員企業はこれらの規則を遵守することを求められています。

遺品整理士資格を取得するには

遺品整理士資格を取得するには、遺品整理士認定協会が行っている試験に合格する必要があります。

申し込み資格は特に定められておらず、25,000円の入会金および会費10,000円を支払えば誰でも講座の受講および受験が可能です。試験に必要な学習は教本、資料集、DVD、問題集を利用した通信講座で行われます。

遺品整理士の資格を取得するまでのおおまかな流れは以下の通りです。

1,養成講座に申し込む

申し込みは電話およびWeb上から可能です。

2,教材が発送される

3,課題レポートを提出する

提出は郵送もしくはWebにて行います。

4,合格通知を受ける

約2か月後に結果が発表されます。合格した場合、認定手続きを行います。

5,認定証書の発行

認定証書とともに、遺品整理士として活動するうえで役立つ資料も発送されます。

遺品整理士資格の需要が高まっている背景

少子高齢化によって、遺品整理の需要はさらに高まっています。しかし、需要が高まる一方で、遺品整理業務に関する法やルールはまだまだ広く普及しているとは言えない状況です。

そんな状況の中で、遺品整理士資格は一定の知識を備えた証明になり、依頼者としても安心して依頼することができるでしょう。

また、遺品整理業は今後成長するビジネスと評価されており、長く安定的な収入を得られる職業としても注目されています。今後さらに多くの業者の算入が予想される業界でもあるため、遺品整理士資格の所有はライバルとの差別化につながるポイントになります。

遺品整理業務を行う場合には、資格を取得しましょう。

遺品整理士に依頼するメリット

遺品整理業者に依頼を行う場合は、ぜひ遺品整理士資格を有している業者に依頼したいところです。ここからは、遺品整理士に依頼をするメリットをご紹介します。

正しい手順で遺品整理を行ってもらえる

遺品整理士に依頼するメリットとしてまず挙げられるのは、正しい手順で遺品整理を行ってもらえる点でしょう。遺品整理は故人の思い出の品を整理する大切な作業であり、遺族にとっても非常に大切な作業になります。

ここまで解説してきたように、遺品整理士資格を取得するには遺品整理に関する実務知識や心構えを習得する必要があります。試験に合格した遺品整理士に依頼をすればルールに則って、実務経験の中で培った正しい手順で遺品整理を行ってもらえるでしょう。

遺族の気持ちに寄り添った対応してもらえる

遺族の気持ちに寄り添った対応をしてもらえる点も、遺品整理士に依頼をするメリットです。

遺品整理はただ不用品を片付けるだけでなく、故人に思いを馳せる時間でもあります。そのため、依頼を行う際には立ち振る舞いや遺品の取り扱いにおいて、遺族に寄り添った対応をしてもらえる業者に依頼すべきです。

安心感を持って思い出深い遺品整理を行いたい場合には、遺品整理士として認定を受けた業者や担当者に依頼をすることをおすすめします。

悪徳業者への依頼を避けられる

悪徳業者への依頼を避けられる点も、遺品整理士に依頼を行うメリットです。

遺品整理業務は、遺品整理士の資格を有していなくても行えます。担当者が資格を有していない場合、適切な知識や経験を有しているか判断できないこともあるでしょう。場合によっては、悪意を持って高額請求やずさんなサービスを行う悪徳業者の危険性もあります。

遺品整理士として認定を受けていることは、このような悪徳業者を避ける際のひとつの指標となるでしょう。

遺品整理士の資格取得は遺品整理士認定協会で

今回は遺品整理士認定協会と、当協会が認定している遺品整理士の資格についてご紹介しました。

遺品整理士認定協会は優良な遺品整理士の育成を通じて、業界の発展を担う団体です。遺品整理士の資格は遺品整理に必要なスキルの証明になるため、遺品整理業を仕事にしたいと考えている方はぜひとも取得しておきたい資格となっています。

これから遺品整理業に携わりたい方、さらなるスキルアップを目指したい方は、ぜひ遺品整理士認定協会および遺品整理士資格についてチェックしましょう。