2023年12月05日 / 2023年12月05日 更新

老後に向けて自身の身の回りの物品や事柄を整理していく生前整理。そんな生前整理の専門家として活躍できる生前整理アドバイザーという資格が存在することをご存じでしょうか?

高齢者が増え続ける現代は生前整理の需要が高まっているため、生前整理アドバイザーも今後注目される資格といえます。

そこで本記事では、生前整理アドバイザーの仕事や資格取得までの流れをご紹介します。生前整理に関連する仕事に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

生前整理とは

生前整理とは自身が亡くなった後のことを考えて、心身ともに元気なうちに身の回りの整理を行うことを指します。荷物の整理はもちろん、遺言書やエンディングノートの準備も生前整理に含まれます。

生前整理を行うと遺族が相続関連の話し合いや遺品整理を進めやすくなるため、遺族の負担を軽減するためにもぜひ生前整理を行いましょう。また、生前整理は自分の人生を見直す機会にもなるため、今後の人生をどのように過ごしていくか考えるきっかけにもなるでしょう。

生前整理アドバイザーとは

生前整理アドバイザーとは生前整理に関する助言を行ったり、生前整理の大切さを広めたりすることを主な活動に据えた資格です。一般社団法人生前整理普及協会が認定を行っている民間資格で、当協会が提供する講座を受講することで資格の取得が可能となっています。

生前整理アドバイザー資格の他にも、次なるアドバイザーを対象にした指導を行うための生前整理アドバイザー認定指導員、実務を重視した生前整理認定作業士、生前整理診断士といった関連資格も多数存在します。

生前整理アドバイザー資格を活かした仕事

生前整理アドバイザーとは?資格取得の方法も紹介します!

ここからは、生前整理アドバイザーの資格を活かして行える仕事をご紹介します。依頼者およびご自身に適した方法で、生前整理のサポートをしてみましょう。

現場での生前整理

生前整理アドバイザー資格を活かした仕事としてまず挙げられるのは、現場に赴いての生前整理サポートです。荷物整理のサポートはもちろん、相続や介護といった今後の人生でお客様が悩んでいることに関するアドバイスを行うことも生前整理アドバイザーの仕事になります。

現場での仕事を検討している場合には、生前整理アドバイザー資格に加え、生前整理認定作業士、生前相続アドバイザーといった実務知識を得られる資格にも挑戦してみるとよいでしょう。

生前整理の指導員

生前整理アドバイザーの資格を活かした仕事としては、生前整理に関する指導やアドバイスを行う仕事も挙げられます。

近年では少子高齢化によって生前整理をはじめとした終活への関心が高まっており、生前整理のやり方や必要性を伝える仕事も増加しています。指導を行いたい場合は各地の自治体が開講している講座の他に、自身で企画を行って開講することも可能です。

生前整理アドバイザー資格の取得方法

生前整理アドバイザーの資格を取得するためには、生前整理普及協会が行っている認定講座の受講および、認定テストで合格する必要があります。生前整理アドバイザーは2級、準1級、1級の認定段階に分かれており、2級から順番に取得していきます(飛び級の制度はありません)。

講座の内容は生前整理をするにあたっての実務的な内容や生前整理の必要性を伝える方法など、受講する級によってさまざまです。受講を希望する場合は、生前整理普及協会のホームページから条件に適した講座を選択して申し込みを行いましょう。

【一般社団法人生前整理普及協会HP】

https://seizenseiri.net/seminar/adviser/

生前整理アドバイザーの認定段階

生前整理アドバイザー資格は講座の内容によって複数の認定段階に分かれています。ここからは、生前整理アドバイザーの各認定段階について詳細に解説していきます。

生前整理アドバイザー2級

生前整理アドバイザー2級では、自身が生前整理を行うことを前提とした内容を学べます。講座の内容は思い出の品の片付け方やエンディングノートの作成、今後の人生のプランニング等が中心となっています。周囲の人に生前整理のやり方を伝えるためには、まず自分が正しい生前整理をできなくてはならないため、各資格の基礎といえる内容といえるでしょう。

生前整理アドバイザー準1級

生前整理アドバイザー準1級では、周囲の人が生前整理を行う際のサポートを中心とした内容を学べます。講座の内容は身近な人の生前整理を行う際の心構えや、生前整理を始めてもらうための提案方法等が中心となっています。準1級の内容を学べば、2級の内容を踏まえたうえで、周囲の人にも生前整理の知見を広めることができるようになるでしょう。

生前整理アドバイザー1級

生前整理アドバイザー1級では、より具体的な生前整理の手法について学べます。講座の内容は法律講座と写真整理講座に分かれており、特に遺言書については講座内で深く学んでいくことになります。生前整理において重要になる遺言書と写真について学ぶことで、これらを利用した生前整理の手法や家族の心の整理についても理解できることでしょう。

生前整理アドバイザー2級認定指導員

生前整理アドバイザー2級認定指導員は、生前整理アドバイザー2級を受講する方を対象として講師を務めるための資格です。生前整理アドバイザー1級認定者のみ受講することができる講座で、講師としての基本的な心構えが中心の内容となっています。

生前整理アドバイザー準1級認定指導員

生前整理アドバイザー準1級認定指導員は、生前整理アドバイザー準1級を受講する方を対象として講師を務めるための資格です。講師として受講生に伝える際の伝え方など、講座を行う際の実戦形式で学べる内容となっています。

生前整理アドバイザー1級(写真整理)認定指導員

生前整理アドバイザー1級(写真整理)認定指導員は、生前整理アドバイザー1級を受講する方を対象として講師を務めるための資格です。生前整理における写真整理を中心にした講座で、写真家系図の作成法や写真に関する知識の習得を中心とした内容となっています。

生前整理関連のその他の資格

生前整理アドバイザーとは?資格取得の方法も紹介します!

ここからは、生前整理アドバイザー以外の生前整理に関連する資格をご紹介します。各資格ごとに専門的に取り扱う内容や業務適性が異なるため、自身に合った資格の取得を検討しましょう。

生前整理相談士

生前整理相談士は生前整理や相続や介護といった終活関連の悩みを抱いている方のサポートをするための資格です。介護、葬儀、相続などの基礎知識を習得できるため、生前整理について悩みを抱いている方に寄り添って、依頼者の助けになりたい方にはうってつけの資格といえるでしょう。

高齢者の方を対象とした事業を検討している方や、身近にいる方のサポートをする機会が多い方には特におすすめの資格となっています。

生前整理診断士

生前整理診断士は生前整理について悩んでいる方の悩みをワンストップで解決することを目指す資格です。

片づけ、介護、相続、葬儀といった生前整理に関する事柄について総合的な知見を深め、それぞれどのようにコーディネートしていくかも学んでいきます。業者への依頼方法やお客様対応の心得などについての指導も受けられるため、生前整理相談士よりも具体的な事例や解決方法を学んでいく講座となっています。

生前整理認定作業士

生前整理認定作業士は実際に現場に訪問して生前整理のサポートを行うための資格です。

講座では訪問作業におけるマナーや清掃方法等を身につける内容が主となっています。講座には依頼者に対する対応や依頼者心理といった内容も含まれているため、取得にあたって実践的な学びを得られる資格となっています。

生前相続アドバイザー

生前相続アドバイザーは、相続を中心として生前整理のサポートを行うための資格です。

相続は相続人が亡くなってから行うものだという印象がありますが、本講座では生前に行う相続に着目して学びを深めていきます。生前整理と相続の関係を中心に、ケーススタディも含めて学べる講座となっています。

生前整理アドバイザーとして生前整理のサポートに取り組もう

本記事では生前整理アドバイザーの仕事や資格取得までの流れをご紹介しました。

少子高齢化が進む昨今、生前整理はさらに需要が増し、やり方を学びたいという方も増えてきています。そのため、生前整理アドバイザーの需要も高まっており、今後もさらに需要が高まっていくことが予想されます。

現場でのサポートをすることだけでなく、生前整理の必要性や手順を広く伝えていくことも生前整理アドバイザーの大切な仕事です。生前整理アドバイザーの資格を取得し、専門家として生前整理の大切さを伝えていきましょう。